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＊５＊ ページ6
2年目の春。
久しぶりに見た君は、すっかり大人の女性になっていた。
「初めまして！今日からトレーナーチームの一員としてお世話になります！白石Aと申します。ご迷惑をかけるかもしれませんがチームの戦力となれるように、しっかり頑張りますのでなんでも言ってください！」
びっくりした。
たぶん人生で一番。
もう一度会えるなんて思っていなかった。
『誠司くんが、もしプロ野球選手になったらな、一番前の席でユニフォーム着てめっちゃ応援する！』
『広島行っても、Aの事忘れんといてな。』
ずっと近くにおった可愛い妹みたいな存在。
守りたかった女の子。
だけど
「小林選手！初めまして！白石Aです。どうぞよろしくお願いします。」
「小林選手も、堺出身なんですね！実は私もなんですよー。」
久しぶりに会えたのに。
君の記憶から、俺は消えていた。
「私、堺にいた時の少女時代の記憶があんまり無いんです。」
ドラマの中の話みたいですよね笑
なんてあっけらかんに笑うAに、お前の事本当は昔から知ってるんやで、なんて言えるはずもなく。
トレーナーのAと選手の俺。
その関係を越えないために
君のことを守れなかった弱い自分を隠すために
これが最善なんだってアホみたいに自分に言い聞かせて
今日も、君との間に線を引く
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作者名：ジャス | 作成日時：2019年2月7日 8時
