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「お疲れ様です。」
22「うん、ありがと。」
「今日も大人気でしたね。」
22「ありがたいよな。わざわざ遠くから来てくれて」
「打撃練習も順調みたいですね。」
22「まだまだやけどな。」
何気ない会話。
ここまでは大丈夫。
「あ、あの。なんか私もお手伝い出来る事とかありませんか?」
22「ありがとな。でも、Aは若手のとかで忙しいやろ。だから大丈夫。」
まただ。
また、そうやって踏み込ませてくれない。
「でも....」
役に立ちたいのに。
トレーナーとして認めてもらいたいのに。
私ではダメなんだろうか。
8「見てもらえばいいじゃん」
22「え?」
思わぬ助け舟は後ろの座席の丸さんだった。
8「俺はまだ白石さんとそんなに話してないから、正直彼女のトレーナーとしての実力はわからないけど。コーチや監督には気づけないことが彼女には気付けるかもしれないし。」
丸さん...!
なんて、素敵な人なんだろう!!
と心の底では思いつつもこれは、チャンス!ともう一度誠司さんの方を向く。
誠司さんの瞳が揺れてる。
迷ってるんだ。
でも、私を見ている。
「お願いします。役に立ちたいです。」
なぜ、こんなに必死にお願いしているのかはわからない。
なんで誠司さんだけにこんなに固執しているのかも。
だけど、ここで引き下がっちゃダメな気がしたから。
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作者名:ジャス | 作成日時:2019年2月7日 8時