団長会議 ノ間幕 フエゴレオンside ページ27
団長会議に出席するべく妹を連れて本部へ向かおうとした時、不意に意識が遠のいた。
抵抗する間もなく瞬時に私を包み込んだ魔は、ただ、とても暖かく安らぐ感じがした………
ーーーーー…
次に目が覚めた時
「誤解を招く言い方をしないで下さい!」
何故か魔法帝と口論しているAが真っ先に目に止まった。
真剣な顔をして何かを伝えているようだが、まだ少し目が霞む。
「…A?私は…」
恐らくAの魔法だろうとは思ったが、説明を求めるべく朧気な意識を彼女へ向ける。
「お兄様、ごめんなさい。…疲れているようだったので、少しでも休んで欲しくて…」
するとAは私の元へ歩み寄り、謝る。
それを見て私はAの魔法に委ねていた身体を起こし、自らの足で立つ。
それ程長くは経っていないはずだが、身体が随分と軽くなっていることからあれはやはりAの回復魔法だったようだ。
自分を思ってくれての事にも関わらず、しゅんとした態度を取る彼女に対してひどく庇護欲を掻き立てられる。
私は自分の欲を押し殺して妹の頭を撫でるに留めた。
怒っていない旨を伝え、ありがとうと言ってやるとAは嬉しそうな顔を見せてくれた。
この笑顔を守るために、団長になったんだったな…
久方ぶりにみたAの無垢な笑顔に懐古的な感情を思い出す。
「そろそろ団長会議に向かわないと」
魔法帝の声を聞き、意識を現実に戻す。
こうして私は魔法帝とAと共に会議室を目指した
ーーーーー…
それからすぐに、後ろから聞こえる声に気が付いた。
ヤミとノゼルだ。
「好きなんじゃねーの?Aのこと」
「…!?」
突拍子もない言葉に私は一瞬身体が固まった。
「はい、最近はサポートに回ることが多く……」
幸いにも(?)当の本人は魔法帝との会話に集中していて聞こえていないようだ。
………今の話の流れから察するに、ノゼルがAを、想っている……?
「ま、俺も狙ってる1人だけど」
「なっ………」
思わず声が漏れてしまった…
あのノゼルにそう言った話題が上がっているといること自体驚きの極地なのだが、その上ヤミまで……?
ヤミはあくまでもビジネスパートナーとしてなのだが、フエゴレオンがそんな真意を知る由もない。
こんなことまで奴と競う羽目になるとはな…
身近にいた恋敵の存在に、兄という立場に甘んじては居られないと思うフエゴレオンであった……
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ふーじー。(プロフ) - コメント下さった方々、ありがとうございます!続編の方もよろしければお願いします( ´ ` ) (2020年10月21日 21時) (レス) id: 594ed5f1a0 (このIDを非表示/違反報告)
メガネコ(プロフ) - こんにちは!!とっても面白くて素敵なお話だと思いました!! これからも、更新楽しみに待たせていただきますね!! (2020年10月15日 14時) (レス) id: acba606f80 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい、、! (2020年10月12日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
ふーじー。(プロフ) - コメントくださった方ありがとうございます!嬉しいです!これからも頑張ります…! (2020年10月8日 19時) (レス) id: e1e44de3d6 (このIDを非表示/違反報告)
ミノル - 悩むフエゴレオンさんが、可愛い!!サイコーです!嗚呼、マジ尊い、、更新ありがとうございます!! (2020年10月7日 18時) (レス) id: 6c7edba7fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふーじー。 | 作成日時:2020年9月30日 0時