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特待生、入間くん! ページ4

サリバン様の言いたいことを言うだけの挨拶が終わり、また司会のアナウンスが入る。


「続きまして、新入生代表挨拶、アスモデウス君」



名を呼ばれて立ち上がったのは白い制服に身を包んだ悪魔。

凛とした美しさをもつ彼を見て会場の注意がそちらへ向く。


「(よかった…注目があっちに…)」


「……に、代わりまして特待生、入間くん」



「(何故!?)」


「(あー、サリバン様の仕業だな…)
頑張って、入間くん」




「入間くん!壇上へ!」


Aと司会の悪魔に背中を押され、泣く泣く登壇す入間。

だが、ノープランな彼はその場で固まってしまう。




「なんかヒョロくね?」

「弱そう」

「理事長の孫だぞ?強いに決まってるだろ」

「見ろよ、この観衆を前に微動だにしねーぜ?」




周りは口々にそう言うが、私には緊張して固まっているようにしか見えなかった。

そわそわしながら見守っていると、入間くんは徐に口を開いた。



「あべるはうけ…」



「なっ!?」

「っ!」

「まじか…!?」


たった一言でその場の空気が変わる。
誰もが顔を青くして身震いする。



「(これは……)」




禁忌口頭呪文

唱えるだけで魔術が使える便利なもの。

だが、途中でしくったら死ぬ。
ハイリスクでほぼ博打。




「…つれざざ……!」





それを知ってか知らずか、何とか唱えきった入間くんは悪魔たちから大絶賛を受ける。



「えっ?えっ?」



「君!駄目じゃないか!
"禁忌呪文"なんて唱えたら!!」

「禁…?え?」



「噛んだり読み間違えたりするだけで四肢が爆散するんだぞ!?常識だろ!!?」




「初耳!!!」





壇上で教師から聞かされてガクガクと震え出したところをみると、やはり知らなかったようだ。



「全く…本当に危険でクレイジーで…
最っ高に楽しかったよ!」




グッと親指を立てる教師



「特待生やべーな!」

「あれ唱えるのは余程の物知らず(バカ)か、命知らず(戦士)って言われてるからなー!」

「まぁ、爆散も見たかったけどw」


周りの生徒も各々盛り上がるなか、入間くんはへろへろになって私の元へ戻ってきた。



「お疲れ様。やるねぇ、入間くん!
痺れちゃったよ〜」



ケタケタと笑うAに言葉を返す元気も残ってはいなかった入間だが、災難は続く。




「おい」



声を掛けてきたのは、例のアスモデウスだった。

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にゃ−ちゃん - とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2021年5月23日 22時) (レス) id: e414f5566f (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 更新頑張ってください…応援してます。 (2021年5月11日 5時) (レス) id: 7cfed39eff (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - 面白いっすねこれからも更新がんばってくださいね (2020年4月27日 23時) (レス) id: c22a47d948 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふーじー。 | 作成日時:2020年3月25日 12時

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