はじめまして！入間くん ページ1
ここは魔界。悪魔の棲む世界。
そして私が今日、入学するのは悪魔の学校･バビルスだ。
「今日は入学式だなぁ」
大きな屋敷で無駄に長いテーブルに座り朝食を取る2人の悪魔。
銀色の美しい長髪を後ろで一つに束ね、お洒落なリボンで結んだ男の方が話しかける。
ニコニコと笑顔を絶やさない彼の名はヴィネ･アイザック。
「うん」
それに答えた彼女はアイザックの妹のヴィネ･Aである。
こちらはこちらとて美しさと愛らしさを兼ね備えており、その髪は兄と同じく銀髪で鎖骨くらいの長さ、そして緩いウェーブが掛かっておりふわふわと靡く。
「楽しめるといいなぁ」
意味深に呟いた言葉は、たった2人で使うには広すぎる部屋に吸い込まれるようにして消えた……
ーーーーーー…
兄との朝食を終えて、私は支度を整え、
薄らと赤みがかった黒い翼を出して飛行していると、眼下に見知った顔を見つけたので、下降する。
「オペラさん？」
赤い髪にピンと立てた耳、背筋を伸ばして立つその後ろ姿から、私はその
「誰かと思えば、貴女でしたか」
私の声に振り返ったオペラさんは表情を一切変えずにそう呟き、おはようございますと礼儀正しく頭を下げた。
「あれ？キミもしかしてAちゃん？
大きくなったねぇ！」
オペラさんの後ろから顔を出したのはサリバン様。
彼はおちゃらけた感じだが、こう見えても魔界三傑の1人にして、これから通うことになるバビルスの理事長だ。
私も、幼い頃に何度か会っている。
「お久しぶりです。サリバン様。
…と、そちらは？」
Aは制服のスカートをちょいと摘んで軽く膝を曲げて挨拶する。
ただの制服がドレスに見えるような優雅な仕草だった。
「あ！この子ね！入間くん！！
僕のかーわいい初孫なんだぁ〜！！」
よくぞ聞いたとばかりに何時にもましてハイテンションでAに詰め寄るサリバン。
それに些か驚きつつも、奥にいる入間くんを見る。
「あ、は、初めまして…入間です…」
なんとも気弱そうな少年が"入学式"と書かれた看板の隣に立っている。
「初めまして。ヴィネ家のAと申します」
以後お見知りおきを。
そう言って、微笑むAは、ド緊張していた入間の不安すらも忘れさせるような、悪魔とは言い難い天使のような笑顔だった……
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にゃ−ちゃん - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年5月23日 22時) (
レス) id: e414f5566f (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 更新頑張ってください…応援してます。 (2021年5月11日 5時) (レス) id: 7cfed39eff (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - 面白いっすねこれからも更新がんばってくださいね (2020年4月27日 23時) (レス) id: c22a47d948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふーじー。 | 作成日時：2020年3月25日 12時
