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Aがいれば、この涙を拭ってくれただろうに。
...だめだ、やはり感傷的になるとAばかり浮かんでくる。
自分で拭うとAがいないということをさらに意識してしまう。そのため極力自分がどうにかしようとは思えなかった。
エルザ、と私を呼ぶ声が聞こえる。
忘れもしない、Aの声だ。
いよいよ幻聴まで聞こえるなど、末期だなと嘲笑する。
Aが何処かで幸せならそれでいいだなんて、嘘だ。
本当は、
私と一緒に、笑っていてほしかった
なんて我儘で、甘い願望だろうか。
『エルザっ！！！』
「えっ...」
聞いたことの無いような、Aの大声。幻聴じゃない。間違いなく隣で聞こえた。
恐る恐る顔を上げると、見慣れない異国風の服から覗く白い肌。感情のままに揺れる紅い瞳。夕日に照らされオレンジに輝く色素の薄い髪。走ってきたのか息切れをしていて...
『エルザっ...』
もう一度私の名前を呼ぶ。
ずっとその声で呼んでほしかった。
へらりと笑ってすぐ心配そうになるのは、会えて嬉しいのと私を1人で泣かせたという申し訳なさからか。
「A...？」
そっと手を伸ばすと、優しくそれを絡めとってくれる。
「A...！！！」
思いっきり抱きつくと、よろけながら抱きとめてくれる。
Aだ。Aの匂いがする。
背中に回してくれた手が、私の背中を宥めるように撫でる。
一瞬この手が強ばったのに気付かなかった私は、きっとこれからずっと、Aが私の記憶を見たことを知らない。
落ち着いてくると体を離して、Aが目元を服の袖で拭いてくれた。
「...生きて、いてくれたんだな」
『...エルザも、よく...また会えてよかった』
Aに会えたことが、堪らず嬉しい。
このまま塔のことを喋りそうになった。...Aにまで負担をかけられないし、心を痛めるだろう。
『...無理しなくていいよ』
何かを察したAが、私に微笑む。
それに甘えて、私は何も言わないことにした。
...いいじゃないか、これで。また、隣にAがいるんだ。
『...それで、グレイはどうしたの？』
「え！？あ、いや...」
やたら焦っているグレイが河原の上の方にいた。...泣き顔を見られたかもしれない。
『エルザ、グレイはね、いいやつ』
「雑...！？」
私を、また光が照らしてくれた。
...だから、私は、三羽鴉などで、立ち止まるわけにはいかない。
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もこ(プロフ) - 私愛され大好物なので嬉しいです！フェアリーテイルのキャラ全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！ (6月13日 9時) (
レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 練紅龍さん» いえいえ！無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年9月13日 15時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - マリイさん» なるほど...フェアリーテイルは本小説が最初で最後の予定ですが、なるほど...ユウカの魅力を引き出せるのか...考えてみます。 (2022年9月13日 12時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントありがとうございます！話のもっていき方を努力しますが、どうしても取りこぼしてしまうキャラはいると思います...申し訳ないです...でも頑張ります！ (2022年9月13日 12時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - フェアリーテイルのユウカ・スズキの小説も書いて欲しいです ユウカ好きなのでラミアスケイルの (2022年8月26日 14時) (レス) id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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