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それから数日後だった。
牢からの脱走を企てたとして、首謀者が別室へ連れていかれることになったのは。
自分が謀ったとして、Aが名乗り出たのは。
本当は数回顔を見たことがある程度の別の牢で暮らしている奴が計画したものだ。
しかし当の本人は兵に責め立てられて腰を抜かし泣きじゃくるばかり。
遠目に見ていたはずなのに、Aは深呼吸をすると一歩前に踏み出した。
両隣にいたジェラールとエルザは困惑してその背中を見ることになる。
『...ご、ごめんなさぃ...私が...私が逃げようって...言ったんです...ごめん、なさい...』
流れる涙を拭いながら彼女は震える足で兵に近づいて行く。
仲間内ではすぐに、Aが迫真の演技をしていることに気が付いた。
兵は怯える子供のわかりやすい言動を熟知している。それを踏まえて、わざと怖がっているように彼女は進み出たのだ。
「...お前か」
兵の瞳孔の開いた目がAを捉える。そこでまた彼女は一層怯えてみせた。
脱走の筆頭やジェラール、エルザ達全員が、Aだと聞けば兵も厳しい対応はしないだろうし、怪我なく丸く収まると思ったのだ。
空気を切り裂く革の音が聞こえるまで、それを疑わなかった。
『いっ...！！』
「「A！！？」」
兵の持っていた鞭が唸りを上げて彼女を打つ。
一同は驚きに目を見開き、ジェラールやエルザは必死でAに駆け寄ろうとするが、他の兵に阻止される。
「ははっ、お嬢ちゃん、今日ばかりはいくらお嬢ちゃんでも容赦しねぇからな」
下衆な笑い声を聞いて、ジェラールは頭に血が上るという感覚を鮮明に覚えた。それでも兵はアリを潰すかのような態度で彼等を払う。
『ごめ、なさ...』
ズルズルとAは兵に引き摺られて、どんどん姿が遠ざかる。
懸命に手を伸ばしたジェラールに、彼女は一瞬だけ微笑んだ。
...恐らく、打たれてからも彼女がしていたのは、演技だった。
手枷を付けて吊るされると、兵はナイフを取り出す。
「前から気に食わなかったんだよなぁ。その目」
燦然と輝く紅の双眸。
そのナイフが目前に迫ってもなお、彼女の瞳の輝きは消えない。嫌悪感に溢れて一思いに突こうとした時、
“
激しい怒りの声と共にナイフが砕け散ると、魔力の波動が兵を吹き飛ばし、壁さえも崩す。
騒ぎが収まった頃には、Aの姿は跡形もなく消えていた。
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もこ(プロフ) - 私愛され大好物なので嬉しいです！フェアリーテイルのキャラ全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！ (6月13日 9時) (
レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 練紅龍さん» いえいえ！無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年9月13日 15時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - マリイさん» なるほど...フェアリーテイルは本小説が最初で最後の予定ですが、なるほど...ユウカの魅力を引き出せるのか...考えてみます。 (2022年9月13日 12時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントありがとうございます！話のもっていき方を努力しますが、どうしても取りこぼしてしまうキャラはいると思います...申し訳ないです...でも頑張ります！ (2022年9月13日 12時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - フェアリーテイルのユウカ・スズキの小説も書いて欲しいです ユウカ好きなのでラミアスケイルの (2022年8月26日 14時) (レス) id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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