＊第22話 ページ26
「ふぅ…」
濡れた髪をかきあげ、浴室から出る
手早くタオルで拭いたあと、寝巻きに着替えて自室へ戻ろうと脱衣場を後にする
「あ、A…」
「…あ」
すると、1階まで降りてきていた快斗くんにばったりと出くわしてしまった
突然のことで内心動揺してしまう
家の中なのだから、出くわすのが当たり前と思う人もいるかもしれない
俺だって今まで出くわしても、一言二言喋るだけで済ませてきた
けど、今回は言わなければならない事がある
俺は意を決して、その言葉を口にする
｢あの、さ…｣
「？」
頬を掻きながら、気まずさから目線を逸らしてしまう
「その…
…ありがとう」
「え？」
俺の言葉に快斗くんはきょとんとした表情を浮かべる
「…机の飲み物、わざわざ買ってきてくれたんでしょ
だから、お礼…」
人に感謝を伝えるのはいつぶりだろうか
やはり慣れない事をするものではないな、と頭に被せているタオルの端で顔を隠す
快斗くんにちらっと目をやると、ぽかんと呆気に取られた様で、そのまま固まってしまっていた
「じゃ、じゃあ俺部屋戻るから」
小っ恥ずかしくなり、慌てて自室へと戻ろうと彼の横を通り過ぎようとした時
「ちょ、待って！」
「わっ！」
途端、腕を急に掴まれて上半身が仰け反る
「な、なに…」
振り向くと、快斗くんは何かを言おうとして口を噤み、何度かそれを繰り返した後、そっと掴んでいた手を離した
すると、彼から手が伸びてくる
「え──」
そっとタオル越しに彼の手が頭に触れ
「〜っ髪！濡れたままだと風邪ひくだろ！」
何故だか真っ赤になりながら、ぐしゃぐしゃと髪を拭かれる
その行為に驚くよりも、まず先に脳内の記憶が蘇る
同じような事が、昔にもあった気がする
随分昔だけど、懐かしさで心がじんわりと温かい気持ちになった
「大丈夫、だから、ほんと…その…ごめん」
突然の事で困ったことに言葉がうまく出ない
妙に顔が熱い
「今度はちゃんと拭けよ！」
「…う、ん」
やっと快斗くんから解放され、先程から煩い心臓音に嫌悪感を抱きながら、俺は顔を見せないように慌てて部屋へと戻った
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AMATA(プロフ) - 杏子さん» 伸びたw良かったです！！(？？)楽しみながら読んで下さりありがとうございます！！ (2018年7月16日 15時) (
レス) id: 4b76855916 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - まって、なってちょっと待って。心臓持たない。待って寿命3年、、、、、、伸びた (2018年7月16日 7時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
AMATA(プロフ) - タナトフィリアさん» わぁぁコメありがとうございます！(´；；｀)そう言って頂けて大変恐縮です…！二人の関係を進展していけるよう更新頑張ります！ (2018年7月10日 0時) (レス) id: 4b76855916 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - ヤバいです！めっちゃキュンキュンしました！続きが楽しみです！更新楽しみに待ってます！応援してます！(*^艸^*) (2018年7月9日 12時) (レス) id: 41c9a6a89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AMATA | 作成日時：2018年6月25日 23時
