拾 ページ10
先ほどの玄関に戻ってきたらしく
見覚えのある風景が広がる。
ひとつ違うのは出迎えの子供たちはそこにおらず
代わりにドタドタと足音が聞こえる。
振り返れば作務衣を着た10人ほどの子供が
一斉に雑巾がけをしていた。
こっちに迫ってくる。
｢おっ、おうおう…元気…｣
玄関と言ってもなかなか距離が長く果てしない。
それをバテた様子もなくひたすら10人であっちへ行ったり
こっちに来たりと繰り返している。
あたしより体力あるんじゃないか。
『玄関。客がここから来る』
それだけ言ってまた移動。
1階は右手に受け付け、左に靴箱。
正面に階段があり奥に温泉がある。
と、館内の見取り図に描いていた。
階段を登らないということは次に向かっているのは温泉だろう。
背の高いスラッとした後ろ姿を見ながら、長い脚が歩む
速度に負けないようついて行く。
数十分前は後を追うことを拒まれた背中。
あの時よりもなんとなく、輪郭がはっきりしている気がした。
『ここが温泉。中見る？』
背中を凝視しすぎて立ち止まるのが遅れかけた。
よく見る赤色と青色ののれん。
それぞれに大きく｢ゆ｣と書いてある。
その真ん中には綺麗な彼岸花が何本か生けて置かれていた。
｢見たい｣
『ん』
至極当然かと言うように青いのれんをくぐった。
いや望くんからしたらそれは当然なんだけども。
あたしからするとほんのちょっとだけ躊躇いがあるのよ。
誰も居ないってわかっててもさ。
恐る恐る望くんの後をついていく。
なにか悪いことをしているみたいで、心做しか目を細めながら。
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
