弐拾捌 ページ28
綺麗に咲いている花を踏んづけるのは
何とも気が引けたが、それも仕方ない。
近寄って見てみれば、まだ小学校にも
上がっていなさそうな5,6歳の男の子。
『ん。こっからは俺に任して』
後ろに居た望くんが前に回ってきて、その子に視線を合わせた。
『悲しかったな。辛かったな。もう大丈夫や』
優しい、甘い声。
今日は望くんの色んな姿を見る。
『ここには誰も傷つけてくる人はおらんから。
一緒に行こ、名前は？』
「ぼく…
『そか、ええ名前やな。俺は望、こっちはお嬢やで』
慌ててしゃがんで、よろしくねとだけ声をかける。
何も言わず十也くんの手を繋ぎ、一緒に歩き出す彼らを
後ろから見て分かった。
こうやって魂が流れてくるんだ。
朔くんも麗茉ちゃんも、柑奈ちゃんも雷斗くんも…
望くんも、こうやってここに辿り着いたんだ。
あたしは違った。
ただこの鳥居の前に立っていた。
それも、望くんにとって「違う」と分かった要因だろう。
何であたしだけ不完全にこっちに来たのかな。
崇裕さんから話を聞いたら…分かるのかな。
知らない場所で不安げにキョロキョロする十也くんに
他の子供たちが笑顔で彼を歓迎する。
望くんの手を固く握ったままだった十也くんにも
徐々に笑顔が見え始めた。
『朔、十也や。頼んでええか』
｢はいもちろん。任せてください｣
朔くん、望くんに信頼されてるんだなあ。
まぁ歳の近い子の方が安心もできるだろうな。
『柑奈！雷斗！』
また違う声色。
呼ばれた2人はしょぼんとした顔つきでささっと望くんの前に来る。
な、なんかこっちまで緊張しちゃう。
さっきまで微笑ましいななんて思ってたのに。
『こいつに言うことは』
柑「…い、嫌なこと言ってごめんなさい」
雷「俺も…酷いことしてごめんなさい」
頭をペコッと素直に下げる2人。
｢いいのいいの。あの…これからお手伝いとか、一緒にしてもいい？｣
｢｢もちろんです！｣｣
あれ、何か敬語になってる。笑
受け入れてもらえたなら…よかったかな？
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
