scene.83 ページ34
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ジンside
「いや、僕もこれ見るの何年ぶりかだから…(笑)」
緊張する。心臓がばくんばくんいってる。別に恥ずかしいもんじゃないけど、Aと2人で共有してたものが、途端共有する人が増えるってことにも緊張してるのかもしれない
ビデオを再生しようとする頃には何故か全員揃ってて、ユンギもナムジュンもジミンまでいた
「もー!なにもたついてんの!入れるよ!」
テヒョンがそれを再生させると、静かに映像が始まった____
真っ青な空
高く、広く、雄大な自然
そこに広がる大きな湖
空を飛ぶ白鳥
湖には幾百もの同じく白鳥が泳いでいる。そこゆっくり僕の姿が捉えられる
かなり引きだから、僕だということは最初わからない
そっと寄って、僕がふわっと両手を広げた瞬間、空へ舞いあがる白鳥へと映像が切り替わり
そして天を仰ぐ僕の横顔が丁寧に映されていた
とにかく美しい
なにもかもが、美しい映像
観るものを震えるほどの感動に導く、Aらしい作品
「「……」」
映像が終わって、誰も口を開かなかった、いや、開けなかった。彼女の生む世界に取り込まれたように、釘付けになっていた
___久々に見たけど、やっぱりAは凄い…(笑)
そんなAが僕を被写体に選んでくれたことが、何よりも誇りで、どんな称号より嬉しかった
「____やっぱり、綺麗だよ。」
声を絞り出したのはジョングクだった
「ズルいよ。こんなの…適うわけがないよ…」
「ジョングガ…?」
「作品は勿論、文句なしに美しいし、これを2人でしか見られない状態だったことにも腹立つけど、でも、なにより___」
「……ねぇ見て。この映像の時間…」
ぼそっとジミンが呟いて画面したの時間を目に入れると
「___12分04秒……。ジンヒョン、…これ……」
「!」
12分4秒…?な、に、それ…?
「し、知らなかった…そこまではさすがに…偶然じゃないの!?」
「違いますよ。」
「ユンギ?」
「Aさんは、わざとヒョンの誕生日と同じ時間の映像を作ったんですよ。」
「な、なんで…っ」
「さぁ、ね。僕も妬きましたよ。これにはさすがに」
ジョングクが瞳を潤ませて僕を見据えた
「ジンヒョン。」
「…っ、」
「僕は白か黒か、はっきりしてる方が好きなんです。だから問います。」
「な、」
「ジンヒョンはAヌナを想ってるんですか?」
今も、
「!」
「答えてください」
「…僕は不器用すぎたんだ…(笑)」
今も昔も。彼女を好き、なのに___
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時