ep.96 ページ47
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社長室の中は、ピリピリと緊張の糸が張り詰めていた。物腰柔らかにパンPDがオンマに話しかける
「娘さんのことですが、」
「おしかけるような形で申し訳ございません、その、焦ってしまって…」
「いえ。きちんとお電話していただいていたので」
そこら辺抜かりなくアポをとっているところは、普段キャリアウーマンとして働く母の姿がうかがえた
「娘はこちらでタレントとして活動しているんですよね」
「はい。Rouという名で、年齢だけ公開して活動をしてもらっています」
「……年齢だけ、」
ふぅ、と母が息を吐いて
「自らオーディションを受けたの?」
「…別番組のオーディションで、こちらに拾っていただいて…」
「貴女がアイドルになりたいと思ってたなんて、知らなかった…」
「…彼女に声をかけたオーディションは “アイドル発掘” オーディションではありませんでした。
元来アーティスト発掘のオーディションで、そこで僕が、落選した彼女に声をかけました」
「…こういう見た目なのは…何か意図が、?」
「ああ、話すと長くなりますが_____」
そう言って、社長が説明をし終わると
「…この子が?そんな、なんか、凄い才能あるんですか…?」
お母さんびっくり、と目を見開いた
「性別も公開しないなんて…この見た目には、そんな訳があったのね」と
「…オンマ。私ね、」
別に、アイドルになって、チヤホヤされたかったわけじゃないんだ
「…忙しく世界を飛び回るお母さんが、どこにいても私の姿が見えたら、お母さん、心配しなくていられるでしょう?」
「…A、?」
「元気だよ、って。私の姿、見せてあげられたらな、って。
ずっと、ずっと思ってた」
「…」
「女手ひとつで、私のこと大事に育ててくれた。仕事も一生懸命で、でも、いつだってオンマは私のことを愛してくれてた。私は、寂しいと思ったことはないよ」
「っ、」
「オンマにいつでも会える人になりたくて、オーディション受けたの。まさか、big hitさんに拾って頂けるとは思わなかったけれど、(笑)」
「…A…」
「オンマ、私を見つけてくれたってことは、それだけRouがお母さんのところに届くようになった、って。そういうことだよね……?」
わざわざ私の元に来てくれなくても
お母さんがどこでも会えるアイドルになってきたってことでしょう…?
「お母さん、私、ただ、世界にいるオンマに、 "いつも愛してるよ" って。伝えたかったんだ____」
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mila.(プロフ) - 月のひかりさん» 他の作品でもコメントくださりましたよね、ありがとうございます、、!嬉しいです。気ままに更新頑張るので、楽しみにしていただけると嬉しいです! (2019年11月22日 23時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - りんかさん» りんかさん。コメントありがとうございます。返信遅れてごめんなさい、、とっても嬉しいです!誰と結ばれるのか、楽しみに待っててもらえると嬉しいです。続編に移行しましたので、今後もお付き合いくださると幸いです(^^) (2019年11月22日 23時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
月のひかり(プロフ) - あーーもう本当に大好きです、このお話!!! (2019年11月20日 22時) (レス) id: 29553fe515 (このIDを非表示/違反報告)
りんか - 主人公はテヒョンと結ばれるのですかそれともそれとも、、うぅ、、続きが常にきになります!これからも楽しみにしています^_^mila.さんのペースで更新頑張ってください! (2019年11月20日 21時) (レス) id: b1eff33979 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - めぐさん» めぐさん、ありがとうございます。とても嬉しいです。楽しみにいていただけるよう、更新頑張りますね! (2019年11月20日 2時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月1日 8時