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「意識が戻らない、って…っ」
「ジニヒョンはホソギヒョンがいなくなって半年後、道で倒れてるとこを発見されて病院に運ばれた。でも、何も病気はないし、事故った形跡もなくて、検査しても何も異常は無いんです」
キム・ソクジンさんという方のベッドに近寄る。小さな顔に、ぷっくりした唇が印象的な美青年だった。
「…ジョングクさんは、"あの夢"と彼の昏睡状態になんらか関わりがあるって思ってるんですか、?」
そう尋ねると、
「…さすがに察しがいいですね。ナムジュニヒョンと同じ大学なだけあって…
そうです。ホソギヒョンが"ジニヒョンを探して"と言ったあの日以来、ジニヒョンは昏睡状態なんです」
「ジミナは…っ、その2年後に、高校の夏休みに、一緒に海に行ったんだ、…夕飯の時間になっても小屋に帰ってこないし、心配になって浜辺に見に行ったら…」
テヒョンさんが言葉を詰まらせながら話してくれる。
「…全身ずぶ濡れで丸くなって横になってた、…っ、名前を呼んでも目を開けなくて、」
「…結局病院で検査しても、何も異常がないんです。それからジミニヒョンはこっちに戻ってきません。」
会った事もない人たちなのに、なぜかとてつもなく悲しくなって、涙が溢れてきた。手が震えて、ギュッと胸のあたりでそれを抑え込むと、
「…え、…Aさん、?」
びっくりしたようにジョングクさんが目をパチクリとさせる。
「あ……な、んで…っ」
頭がぼうっとする。
______"A"
懐かしい声が、脳内に響き渡った。
"Aはこの世界の均衡を保たなければならないよ"
なに、?
この記憶は、誰のもの、?
力が抜けて、ぺたんと床に座り込むと、ジョングクさんが焦って私の両肩に手を置いた。
「っ、Aさん?!」
「、……っ」
_____"Aを狙う悪魔の末裔には、気を付けなければならないからね。"
「…あく、ま……?」
「Aさん、!!?しっかりしてください、!」
_____"夢に飲み込まれては、いけないよ"
「…っ、やっぱり。」
「テヒョニヒョン?」
「Aちゃんのその反応、ナムジュニヒョンが言ってた通りだよ、ジョングギ…」
「っ!」
「早く彼女を夢の世界に連れて行こう」
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mila.(プロフ) - BeBeさん» BeBeさん、コメントありがとうございます。とっても嬉しいです!楽しんでいただけて書いて良かったなあと思います(笑) 本当にありがとうございます! (2019年12月19日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - ファンタジーものは好みではないのに、この作品はすごく面白くて、お話の中に入り込んでしまいます!!楽しく読ませて頂いてます! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e6e2536d94 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - キムさん» わあ、とっても嬉しいお言葉ありがとうございます!2編も楽しみにしていただけると嬉しいです!頑張ります! (2019年10月29日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
キム(プロフ) - mila.さんのもう一つの作品を読んでこれを読み始めました。世界観がとても好きでわかりそうでわからないこの物語の内容がとても好きです。読んでたらなぜか自然と涙が出て来ました。作者さんが書く文章や言葉の選びはとても心に響きます。これから2編読んで来ます。 (2019年10月28日 18時) (レス) id: dd11077a9f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - さなさん» ご感想、とても嬉しいです!引き続きハラハラドキドキするようなお話が書けるように頑張ります!ご愛読ありがとうございます! (2019年10月24日 12時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年10月11日 23時