君色の花を咲かせ______ 【浦島坂田船】

9 wheel ページ9

sm side







今日は久しぶりに外に出られた。

何ヶ月ぶりの休日だろう。正確に言うと抜け出したと言った方が良いだろうか。




屋敷の見張りの目を掻い潜って外に出た。



毎日のように女を抱いてると流石に息が詰まる。

別に嫌いな訳じゃないのだが。






何をしようか。笠で顔を隠して地味な服装をしている為バレることはない。
自分のお気に入りの子と遊ぼうか。



そんなことを考えていると屋敷を回って気づいたら裏まで来ていた。




城下町に続く道へと回ろうとしたらある楽器の老舗店の中の女性に目が止まった。

自分好みの容姿ではなかったが丁寧に楽器を掃除をしてる姿はどこか気品がただより魅力を感じた。




この俺の目を止めるなんてな。気がついたら店の扉を押していた。





「いらっしゃいま________」





彼女の声をわざと遮り目を合わせる。だいたいの女は俺の容姿をみて好意を抱く。




『へぇ。意外と小さなお嬢さんがやってるなんてな。』





やっぱり彼女は驚いたようにこちらを見ている。彼女と再度目を合わせる。

あれ。こいつこんなに幼い顔してたっけ。こんなガキだっけ。

最初に見かけた時に見た女性とは違った。俺に目を向けた時からどこか幼く女性と言うより女の子に近い雰囲気になった気がした。




『なーに。人の顔みてフリーズしてんねん。俺は客やぞ。』




俺が一言かけてやっと彼女は動いた。不思議な彼女の雰囲気に興味を持った。
久しぶりの休日にこの子を落としてみるのもいいかもしれない。自分にガキと遊ぶ趣味はないが。




「すみません、今日は何のご用事で？」




『お琴の爪を見に来たんや。なんかええのある？』




琴の爪なんて屋敷に山ほどある。もちろん爪を買う用事などない。



彼女が慣れた手つきで琴の爪を用意してくる様子を横目で彼女を見ると彼女は女の子ではなく女性であった。

10 wheel→←8 wheel

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す