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オレンジ色の街灯にゆらゆらと薄っすら照らされる不気味な道に
『助けて、助けて…っ、ジミンくん!!』
そんな私の叫び声が響いた。
でも、そんな私の叫び声に目の前の男の動きがピタリと止まっただけで、
それ以外の私の瞳に映る光景は一切何も変わらなくて、私の叫びは虚しく響き、この不気味な雰囲気の中に消えて行った。
動きを止めた目の前の男は、ふっと呆れた様に笑い「叫んでも無駄だよ?見てみなよ、周りを。酔ってる奴に喧嘩してる奴に、薬でイっちゃってるやつ。…大丈夫大丈夫、すーぐ気持ち良くなるから。」そう愉快そうに呟くと不気味に微笑み顔を私の首元に向かって近付けて来た瞬間、私の頭の血の気がサッと引き
『いっ、やだぁっ!!!』
そうぎゅっと目を瞑り叫んだ時だった、
バキッと凄い音がして
今さっきまで凄い力で身体に掛かっていた抑え付けられる圧が無くなり、フッと身体が軽くなった。
…え?
ゆっくり恐る恐る目を開くとさっきまで居た男の姿は無くて、すぐ右隣りの少し奥の方からリズム良く凄く可笑しな音……そう、人を殴る音と…その音が鳴るたびに小さい男性の呻き声が聞こえて来て
恐る恐る視線をそっちに向けた瞬間、私は唖然とした
『…じ、…みん、くん…?』
震えた私の口からそんな力無い呟きが出た
そう、男性の上に馬乗りになり右手を凄い勢いで振り上げては下ろし、振り上げては下ろし…それを繰り返して居たのは全身黒尽くめの背中で……その後ろ姿は紛れも無く、ジミンくんの背中だった。
そんな黒尽くめの背中を見た瞬間、私はじわぁっと目頭が熱くなり視界が歪んだ。まだ右手を一心不乱に振り上げては下ろし続けるその背中に向かって
『っ、ジミンくんっ!!』
そう大きな声で呼び掛けると、ピタリと振り上げられた右手が止まった。
そして右手を下ろすとゆっくり立ち上がり振り向いたその人は……やっぱりジミンくんで、黒いマスクと前髪の間から覗くジミンくんの瞳が私を捉えた瞬間、私の頰に涙が伝った。
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葵(プロフ) - ひかさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて安心してます^ ^ありがとうございます! (2019年10月18日 2時) (レス) id: 1fb30686c6 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - Pちゃん()さん» いつもコメントありがとうございます!嬉しいお言葉ありがたいです(;_;)! (2019年10月18日 2時) (レス) id: 1fb30686c6 (このIDを非表示/違反報告)
ひか(プロフ) - Sほそく…好きです…!! (2019年10月7日 18時) (レス) id: 63030a26f2 (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - この小説大好き!ドキドキが止まらない! (2019年10月4日 17時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて安心してます…嬉しいです!!ありがとうございます!頑張ります! (2019年9月26日 23時) (レス) id: 1fb30686c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2019年9月13日 0時