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「俺、名前で呼んでんのAだけなんだよね」
「あー、逆にね。そういえば確かに及川って人の事名前で呼ばないよな」
まっつんがうんうんと頷く。それを横目で見ながら俺は誰に言うともなしに呟いた。
「…少しでも近付きたかったから、さ」
――中学のあの時、俺は確かに君に惹かれて。
意地っ張りで、不器用で。でも優しくて、かっこいい。そんな、君に。
堕ちて、惹かれて、恋焦がれて。
女の子は沢山いるけど、俺にとっては唯一無二の女の子だから。
ついと触れた指先を辿り、そのまま小さな手を左手でそっと包み込んだ。握りしめた手が振り払われない事に内心ホッと息をつく。
体温が低めのAにしては何だか熱いそれに思わず首を傾げると、髪の隙間から覗く耳がほんの少し、少しだけ赤くなっている事に気付き、無意識のうちに頬が緩んだ。
愛しさがこんこんと湧き上がってきて、握った手にぎゅっと力を込める。
壊さないように。
壊れないように。
今俺がAの隣に立てるのは、Aの優しさに甘えているだけだって、分かってる。
今までいっぱい傷付けてきた事も、痛いほど分かってる。
だけど、そんな俺だけど。
これからは誰にも傷付けさせないよう、君を守るから。
君の隣で笑って、はしゃいで、ただ毎日を過ごす権利を、どうか俺に与えてほしい。
眉を下げたAが顔を上げた。目が合って一秒。
『…バカだな』
――きゅっと細められた目に、見惚れた。
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雨音(プロフ) - コメントありがとうございますT^Tそんな嬉しいことを言って下さるなんて涙が…更新頑張れそうです(*´◒`*)猫様も体調気をつけて下さいね！本当にありがとうございました(*'▽'*) (2022年4月29日 19時) (
レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - まじでこの作品大好きです‼︎体調に気をつけてくださいね。 (2022年4月29日 11時) (レス) @page2 id: fd92b45f0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年7月25日 1時
