無自覚なあの子の話 ページ22
「お前スカート短すぎじゃね?」
部活の帰り道。いつものメンバーで歩いていると、突然まつっちゃんがそんな事を言ってきた。
『え、そう。みんなこんなもんじゃない?』
「いや〜。もうちょい長くね?」
『だって暑いんだもん』
「理由がワイルドww」
「普通は“短い方が可愛いし!”だろ!!」
「花、お前ぶりっこやめろww確かにコイツ冬は余裕でスカートの下にジャージ着てるしな」
「お前寒いのも暑いのも苦手だもんな」
さっすがはじめちゃん。よく分かってる。
『まぁ、冬ははじめちゃんに暖めてもらえたら乗り越えられる気がするから暖めて』
「俺が暖めてあげる!いつでも俺の胸においで!!」
『うぜぇ。誰が頼むかアホ』
「そんなツンデレなAも可愛い!」
『え、怖。デレ要素一つも無かったじゃねぇか』
「あらら〜。岩泉はこれじゃあ彼女作れねぇな〜」
まつっちゃんがはじめちゃんを見ながら、からかうようにニヤニヤと笑う。
「はぁ?何だよ急に」
「手のかかる幼なじみがいるから」
な?
顔を覗き込まれるのと同時にずっしりとした重みが頭に降ってくる。そのままぽすぽすと軽く叩かれ、子どもをあやすようなその仕草にムッとして唇を尖らせた。
『ちょっとまつっちゃん。はじめちゃんの彼女になるのは私しかいないでしょ。私はいつでも準備万端だし』
「え、Aダメだよ!?俺泣いちゃうよ!?」
『勝手に泣いてろ』
「ヒドい!!」
「…じゃあ」
はじめちゃんが前を向きながら淡々と呟いた。
「付き合うべ」
『え』
「え」
「え」
「え」
四人の声が面白いほどにぴったりと重なって夜の闇に溶けていった。
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雨音(プロフ) - コメントありがとうございますT^Tそんな嬉しいことを言って下さるなんて涙が…更新頑張れそうです(*´◒`*)猫様も体調気をつけて下さいね!本当にありがとうございました(*'▽'*) (2022年4月29日 19時) (レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - まじでこの作品大好きです‼︎体調に気をつけてくださいね。 (2022年4月29日 11時) (レス) @page2 id: fd92b45f0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音 | 作成日時:2020年7月25日 1時