＊ ページ18
Aside
『何だい、大ちゃん』
振り返って私より少しばかり身長が高い大ちゃんの目を見つめると、彼は少しだけ眉を下げて笑った。
「俺、少し多めに買ったんだけどよかったら食べるか？」
そう言いながら湯気が立ち上る紙袋を私の方に差し出す。やだイケメン。
『え、いいの？』
「おう」
この時間になると腹減るよな。そう言って爽やかに笑う彼を見て心臓がぎゅんとすごい音をたてた。
おい、けいちゃん。青城男バレ(一部除く)。
…見習え。
『大ちゃん好きだ』
「え、ええ！？」
ほんのりと頬を染めながら驚いたように目を見開く大ちゃんに構わず、「ありがとうございます」と手を合わせてから紙袋の中に手を突っ込んだ。
「お前一回は謙遜して断れよ…」
後ろからけいちゃんが呆れたように呟く声が聞こえてきたけど迷わずスルーして、私はほくほくの肉まんを片手に持ち、もう一度お礼を口にした。
『マジありがとう好き』
「ふはっ！肉まん一個で好きになってもらえるなら奢り甲斐があるってもんだよな〜」
な〜、大地。スガちゃんが笑いながら大ちゃんの方を覗き込む。
え。ほんとに三年生？温田ちゃんは別としてうちの三年生にこんな可愛さ絶対出せない。
そんな事を思いながら肉まんを頬張る。うま。
『あ、そういえばさ』
先ほどから気になっていたことを隣りにいたスガちゃんに聞いてみる事にした。
『店の前にいる人たちと同じジャージ着てるけど、部活？』
肉まんをもごもごと頬張っていた彼は、それをゴクンと飲み込んでからこちらを向いてにっこりと笑った。
「うん。俺らバレー部なんだよ」
そう言って背中を見せてくれる。なるほど、排球部って書いてあったんだ。
『あ、じゃあきよちゃんって、』
「お察しの通り、うちの敏腕マネージャー」
そんな話をしながら扉を開けて外に出る。
…と。
「あああ姉御！！！」
扉を開けた瞬間、ぶつかるんじゃないかという勢いで駆け寄ってきた夕ちゃんに思わず体を引く私。他の四人は慣れたもので、爽やかな彼は「こら西谷。びっくりさせないの」なんて注意までしている。さすが上級生。彼のような真面目な先輩になって欲しいものだと我らが主将を思い出して、私はこっそりとため息をついた。
横からは
「あ、姉御？」
なんて困惑している大ちゃんの声が聞こえてくるし、うーん、私がそう呼べと言ったわけではないけど何だか申し訳ない。
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雨音(プロフ) - コメントありがとうございますT^Tそんな嬉しいことを言って下さるなんて涙が…更新頑張れそうです(*´◒`*)猫様も体調気をつけて下さいね！本当にありがとうございました(*'▽'*) (2022年4月29日 19時) (
レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - まじでこの作品大好きです‼︎体調に気をつけてくださいね。 (2022年4月29日 11時) (レス) @page2 id: fd92b45f0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年7月25日 1時
