お前の弱点【呪術廻戦】

15.器用なんで私 ページ15

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同じ場所にもう1回戻ってきた。空きビルの前。

傍から見たら、私たちどんな風に見えるんだろ。使われてない空きビルの前に立つ男女2人って、まあ奇妙だよね。歳1つしか分からないから、兄弟？こいび、ない。考えるのやめよ。


やっぱりこのビル、出てる呪力少ないね。何でなんだろ。





「呪力、感じてます？」

「やけに少ないな」





少ないそうです。ガン無視です。今日よく無視されるわ。やだなあ恥ずかしい？返事しろよ。





「とりあえず入るぞ」

「はーい」





空きビルに入る権利は持ってるので、もし警察に止められるとか、そういう何かがあっても大丈夫！ということで、空きビルに入った。こういうのないと、たまに止められちゃうんだよね。嫌になっちゃう。


中は暗い。まだ昼なのに。1級呪霊かあ、低級しか最近祓ってなかったから、腕鈍ってないといいな。鈍っても最悪五条先輩いるしいいか。

やけに暗いビルを進むと、早速発見。呪霊のお出まし。私はすぐに術式を展開させた。





「術式展開」





それを見た先輩が焦りだした。理由は分かってるけど、止めずに私は進める。印を結んで、結界を張った。これで完璧。





「おい、それやったら俺も術式、」

「じゃあ今使ってみたらどうですか？術式。……あ、嘘待って！帳張ってない！張るから張ってから術式使って！！怒られる！！！！」





あっぶな。帳張らずに術式使わせようとしたわ。破壊力抜群らしい先輩の術式を使わせる前に、帳張らないとマジで怒られる。見たことないけどね、私。先輩の術式。怒られるのはいや。

だから私は急いで外に出て、印を結び、





「闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え」





そう唱える。

空から真っ黒な、墨のような結界が下りてきた。これが帳。外から、非術師は呪術が見えなくなる。これで準備は完璧。いや、もう準備じゃないか。遅かったのか。

帳張らなかったから呪力感じなかったんでしょ。絶対。

帳を張って、先輩のところに戻った。何も起こってないけど、術式使ってないよね。ビル荒れてないし、多分大丈夫だよね。街中だから術式バンバン使われても困るけど。





「じゃあ課外授業。先輩が焦った理由は？」

「無限解かれたら困るからに決まってるだろ」

「なるほど」





納得。あれ、言ってなかったっけ先輩に。私器用だって。





「解除させる対象を選択出来るに決まってるでしょ。じゃなきゃ私が突然解除させるわけないじゃないですか」

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