冬国にて (ページ9)

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おうちへページ9

後日。

約束どおりに、彼と手合わせをしたあと、やっぱり強いねと誉めてくれるアヤックスに水を渡す。

『アヤックスも私に着いてこれるくらいなんだから強いよ』

彼の額に汗で張り付いてる前髪を撫でるようにわけてやると擽ったそうに笑うものだから、可愛らしくて仕方ない。

『あ、そういえば聞いたよ。ちゃんと自分の仕事してきたんだってね？』

「うん、さすがにAとの約束は破れないよ」

『ふふ、そうなの？…………ああ、じゃなくてね、アヤックスがこれから予定がなかったらお家に呼ぼうかなって…』

「もちろん！行かせてもらうよ」

嬉しいよ！とすごい勢いで抱きついてくる彼を抱き止めてしまったが、すぐに離す。

『もう、暑いでしょ………』

ふたりとも汗でびしょびしょだからちょっと……

『うん……とりあえず、うちに行ったらお風呂に入ろっか…』

「一緒に？」

『そんなわけないでしょ』

彼の冗談を軽く流し、行くよ、と家へ急いだのだった。