第九十話 ページ5
.
「そろそろいいでしょ?お母さん達中に入れてちょうだい!」
「……ふ、降谷さん。…間違ってもその言葉、両親の前で言わないでくださいね!約束ですから!!」
微かに襖を開けて口を尖らせるお母さん達がそろそろ不憫に見えてきたので開けようとする前に一言びしりと降谷さんの方を指さして改めて念押し。
降谷さんの表情はよく見えなかったけれども常識のある人だと思ってるし心配しなくても大丈夫。
「はい、いいよ。」
「二人で楽しそうに会話しちゃって〜。仲いいんでしょ?」
「まぁね。」
「そうかそうか、お父さん嬉しいぞ〜!」
「貴方アメリカに行ってからずっとAの心配してたもんね。」
「Aさんにはこの間風邪を引いた時にもお世話になって…。」
「聞いた!?Aが降谷くんの看病ですって!」
「お母さん、ちょっと興奮しすぎ。」
私の肩をバンバン叩いて嬉しさを表現してくれるのはいいけど、痛い。
駄目だ、この空気はいい感じに押されるやつ。
確かに降谷さんかっこいいけどそれだけで決めるのは相手にも失礼だし…!
「そう言えばお父さん、降谷さんと昔からの友達なの?」
「うん、昔に一回だけ降谷くんが捜査してた案件の弁護をしてね。」
「……あれ、降谷さんって警察庁に勤めてるんですよね?」
「なんだ、そこまで知ってるのか。」
「いや…知っちゃった、が正しいかな。」
無理矢理話を方向転換させて思い切り話題を逸らす。私の言葉に懐かしそうに双眸を細めるお父さんに話題は無事そちらの方に写ってくれそうで安堵から息を漏らした。
「警察学校時代のお話です。ちょっとした事件に巻き込まれちゃいましてね。」
「あ、ああ、確かあの頃は警察学校の時代だったか。」
「お父さん負けた?」
「勝った。」
「流石。」
「葛西さんの弁護には舌を巻きましたよ。」
「やだなぁ、降谷くんに言われちゃ照れるじゃないか。」
そのタイミングでご飯が運ばれてきたので一旦お話はお開きに。
個々に頼んだ食べ物を摘みながらちらりと向かいに座る降谷さんの方を向く。
目がバッチリ合ってしまうと慌てて逸らそうとするも小さく微笑む姿に釘付けになってしまいしばらく顔を逸らすことが出来なかった。
.
1906人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花帆 - こんばんは、安室さんとの両想い…!!甘くてトキメキます(*´ω`*)これからの展開も楽しみに応援しております♪ (2018年7月17日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
瑛奈(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませていただいます!ついに夢主ちゃん、安室さんが好きだって自覚しちゃいましたね(笑)今後の展開で降谷さんとしてはどう動くのか楽しみです(笑)更新大変かもしれませんが頑張ってください! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 7374128719 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!夢主さんどんどん大変になってきますね…実質は相手2人なのに(笑) 目が離せません! (2018年6月18日 9時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です!主人公うらやましい!(笑)安室さんファイトって応援したくなりますね! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - salomeさん» もう、いろんな人たちがてんやわんやしてますね…!工程通り進めましたが中々書く方はハードです…笑 これからどうなるかどうぞお楽しみに! (2018年6月17日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/playlistra/
作成日時:2018年6月13日 20時