第百十九話 ページ34
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「あのね、安室さん。」
「うん?」
閉じ込められた胸の中、何か匂いが充満しているのだろうか、甘い香りに痺れながらもゆっくり上を向いて安室さんと目線を合わせる。
私の肩に乗っかった安室さんは小さく返事をしてこっちを見た。
「私、降谷さんとお見合いしてて。」
「うん、この間ポアロで言ってたね。」
「それで、お母さんに報告したら降谷さんの方が絶対いいって。」
「……そう。」
「それで、お母さん帰ってきたら安室さんと話をするって。」
「……そっか。僕より兄さんの方が……キャリアもいいだろうし喜んでるんだろうね。」
「多分、話を見るにお父さんとお母さん降谷さんと昔から仲良かったらしくて……って、安室さん降谷さんの職業知ってたの!?」
「流石に身内の職業くらいなら知ってるよ。」
若干の苦笑いを浮かべながら頬を搔く安室さんの手をぎゅっと握りしめると双眸を見開く姿が目に入る。
「……安室さんと降谷さん、双子だから…お母さんにどう説明しよう。お母さんのことだから同じ顔なのに何で降谷さんじゃ駄目なのって言われちゃう。」
「…大丈夫、心配しないで。お母さんは僕が絶対説得させてみせるから。」
「うん。好きだよ、安室さん。」
「僕も。」
手を繋いだ体温が私の心をどろり、溶かしていく。私を抱え込むように包み込んでいる腕を引っ張って体を密着させると「上、向いて。」と言う安室さんの声が聞こえて、控えめに上を向く。
優しく笑う安室さんの瞳が証明に照らされて綺麗に見える。
ゆっくり重なる私と安室さんの影。
小さく、リップ音が辺りに響くとその余韻を逃がさないように何度も、何度も安室さんは啄むようなキスを繰り返す。
この愛情表現に必死に答えたくて。
たどたどしくキスを返していくと安室さんが私を掴むその手を強く強くしていく。
口の端から漏れ出す吐息と何度も何度も聞こえるキスの音が麻薬のように脳内をどろどろにしていく。
快楽に溺れるという表現が正しいのだろうか。
やっと、名残惜しそうに二人の唇が離れていけばそのまま安室さんは私を押し倒す。
「安室さん。」
「Aさん。顔赤い。……可愛い。」
「ふふ、安室さんこそ顔真っ赤だよ。可愛い。」
「あ、男に可愛いって言ったな。」
「ごめんごめん。」
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花帆 - こんばんは、安室さんとの両想い…!!甘くてトキメキます(*´ω`*)これからの展開も楽しみに応援しております♪ (2018年7月17日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
瑛奈(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませていただいます!ついに夢主ちゃん、安室さんが好きだって自覚しちゃいましたね(笑)今後の展開で降谷さんとしてはどう動くのか楽しみです(笑)更新大変かもしれませんが頑張ってください! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 7374128719 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!夢主さんどんどん大変になってきますね…実質は相手2人なのに(笑) 目が離せません! (2018年6月18日 9時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です!主人公うらやましい!(笑)安室さんファイトって応援したくなりますね! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - salomeさん» もう、いろんな人たちがてんやわんやしてますね…!工程通り進めましたが中々書く方はハードです…笑 これからどうなるかどうぞお楽しみに! (2018年6月17日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/playlistra/
作成日時:2018年6月13日 20時