第百一話 ページ16
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車に乗りこんでからもどうしてもチラチラ目線が安室さんの方へと向いてしまう。
沖矢さんの時は普通だったんだけれども安室さんは何か、凄くかっこよく見える…。
「素敵ですよ、今日の格好。」
「ひ…!!」
予期せぬ言葉が突然吐き出されると肩がぴくりと反応を示し、小さく揺れた。
シートベルトをぎゅうと握り締めれば苦笑いを浮かべる安室さんがミラー越しで目に入る。
「……ご、ごめんなさい。」
「いえ。突然声を掛けてすみません。」
安室さんが悪い訳じゃないのに……悪いことしちゃったな。
もう1回、運転の邪魔にならない程度にちらりと横に目配せして安室さんの運転に見入る。
ハンドルを華麗に操作する褐色肌の手はハンドルを握っているだけにも関わらず可憐で、色っぽく見えてしまい目を擦った。
「……その、安室さんの今日の格好…素敵です。」
「んっ!?」
「わ!ちょ、安室さん!?」
いきなり傾いた車体にシートベルトをぎゅっと握って目を見開き隣を見る。
呻き声のような声を出した安室さんの顔は何故かまっかっか。
片手ハンドルに切り替えた安室さんはその口元を片方で押さえながら目をぎゅうと瞑っていた。
色々と危ないって安室さん!
「……その、Aさん。」
「は、はい?」
「……付き合ってない女性から…そんな事言われると…えっと……期待、しちゃいますから。」
「あっ、そ、そうなんですか!?」
何たる失態。
誤解を招くようなことを言うのは良くない。
慌てて謝ろうとするけれど「でも、そう言ってくれて嬉しいです。」と言葉が返ってきてしまえば何も言えずそのまま黙りこくる。
車内に、沈黙が流れた。
「と、トロピカルランド…行くの初めてなんですが…安室さん行ったことありますか?」
「…ぼ、僕は一応昔に…何度か。…Aさんは何でも初めてなんですね。」
「親が、忙しくて中々自分じゃどこにも行けなかったんです。」
「……ご両親は、何を?」
「一般的にはそう呼ばないらしいんですが…国際弁護士をやってます。」
「へぇ、国際弁護士…!それで、弁護士に?」
「ええ、まぁ…そんなとこです。」
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訂正のお知らせ
郊外弁護士✕→国際弁護士
今まで設定にそう書いていたのですが後々詳しく調べてみるとそんな言葉ないことに気がつきました…。
ご迷惑おかけして申し訳ありません。
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花帆 - こんばんは、安室さんとの両想い…!!甘くてトキメキます(*´ω`*)これからの展開も楽しみに応援しております♪ (2018年7月17日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
瑛奈(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませていただいます!ついに夢主ちゃん、安室さんが好きだって自覚しちゃいましたね(笑)今後の展開で降谷さんとしてはどう動くのか楽しみです(笑)更新大変かもしれませんが頑張ってください! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 7374128719 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!夢主さんどんどん大変になってきますね…実質は相手2人なのに(笑) 目が離せません! (2018年6月18日 9時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です!主人公うらやましい!(笑)安室さんファイトって応援したくなりますね! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - salomeさん» もう、いろんな人たちがてんやわんやしてますね…!工程通り進めましたが中々書く方はハードです…笑 これからどうなるかどうぞお楽しみに! (2018年6月17日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/playlistra/
作成日時:2018年6月13日 20時