眼帯少女は色んな意味で狙われています。７

Chap.304 ページ38

安「すみません、急なことで
気が動転してしまいました。

苦しくなかったですか？」

『いえ、大丈夫です…。』

そう答えると「そうですか。」とだけ
言って、前を向き直した。

安「あなたの知っていること、
言ったことに対して、肯定否定以前に
答えることができません。」

安「それでもあなたは、こんな素性の
知れない男を信じることができますか？」

控えめに、弱々しく、そう私に尋ねる。

以前安室さんと話したとき
たくさんの言葉をもらった。

安室さんはあの時、本心で話してくれた。
それなら、今私も改めて向き合うべきだ。

私は頷いて「もちろん。」と笑って答える。

すると、予想していた答えと違っていたのか
安室さんは少し驚いていた。

目が大きく開かれたかと思えば、すぐに細くなる。

安「あなたには、敵わないですね。」

安室さんは呆れているようにも見えたが、
どこか嬉しそうに笑った。

そして、少しの間沈黙が流れると、
何かを思い出したように「あ。」と声を漏らす。

Chap.305→←Chap.303

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す