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歪む景色。 ページ27

玉「ごめん。今、すごく嫌な顔してる。

こっちに来ないで。」


「え…?」


玉「…無理。見ないで。

すごくダサい顔してるから。」




キッチンに肘を立て両手で顔を隠し


下を向く裕太くん。




玉「…あーくそっ…ダセー俺。」


「…っ、裕太くん。」


玉「嫉妬してる。平野に。

何であいつに嫉妬しなきゃなんないの?

ダセーな俺。」




ふははっ、と渇いた笑い声が部屋に響いた。




「…ごめんね、…っ、私が…っ、」


玉「…何でAが謝るの?

悪い事何もしてないじゃん。」


「私が平野くんに先に話したから…っ、

私が、裕太くんにちゃんと話せばよかったの。




玉「…話ってなに?」


「…っ、」





顔を上げ、真っ直ぐと見つめる瞳は


いつも以上に澄んでいて。


なにもかも見透かされてるような鋭い目に


少しだけ息を飲んだ。






こんな感じで話したくなかった。


ピリピリとした雰囲気にしたのは私のせい。


自業自得。



それなのに話す前から涙が溢れてきて。


彼女の名前を出すのが怖くて。


言葉に詰まらせて、俯いていると


裕太くんはまた困った顔をして私を見た。









「…湊さん、」



俯いたまま、彼女の名前を出した。



玉「……湊?」




どんな顔してるんだろう。


顔を上げるのが凄く怖い。


裕太くんの口から出る彼女の名前。


それさえも嫌でたまらなくて。


私がどれだけ嫉妬深いのか知らされて。


自分にうんざりする。





「……今日、湊さんに会ったの。」




顔を上げるも涙で歪む景色で裕太くんの表情が読み取れず


そんな自分に嫌気が差した。

込み上げてくる感情。→←表情。



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りさ - また続編見たいです(*^-^*) (2021年4月10日 0時) (レス) id: 41dc70dfaa (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - いつの日か続きが見れる日を楽しみに待ってます! (2020年1月4日 15時) (レス) id: 3cf62938b7 (このIDを非表示/違反報告)
タ マ モ リ _ ピヨ マ ル(プロフ) - たまこさん» 私もキミシリーズは大好きです(≧∇≦) 「キミはトクベツ」の裕太くんのヤキモチは何度読んでも胸キュンが止まりません! こちらこそ、このような胸キュン作品を書いてくださった、たまこさんに感謝、感激です(T_T) (2018年1月13日 11時) (レス) id: ac67987a8b (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - タ マ モ リ _ ピヨ マ ルさん» キミシリーズを読み返してくれてるんですね。感謝(;_;)感激です。(;_;)裕太くんのお話でキミシリーズは私もお気に入りです。 (2018年1月13日 1時) (レス) id: 0da3131f85 (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、いつも温かいメッセージありがとうございます(;_;)感謝です。嬉しくて今日は更新しちゃいました。(笑)引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2018年1月13日 1時) (レス) id: 0da3131f85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまこ | 作成日時:2016年2月3日 9時

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