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ネクタイ(高木健二) ページ1
私には苦手な人がいる。
「よぉ、小娘。」
『うげ、高木さん…。』
「朝っぱらから警察署たぁ、何やらかしたんだ？」
因みにこの人のことだ。
『警察署に忘れ物をしたんです。』
「ふーん、お前って本当に忘れっぽいんだな。」
高木さんがにやり、と効果音がつきそうなほど悪い笑みを浮かべた。
『私、他にも忘れ物しましたっけ…？』
「おいおい、マジでわかんねぇの？」
「俺ん家に忘れてんだろ。制服のネクタイ。」
サングラスの中の高木さんの目がスッと細まった。
顔が熱くなるのを感じる。
「なぁ、今日も来んだろ？」
だからこの人は苦手なんだ。
続く
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作成日時：2019年7月7日 20時
