確信犯 luz ページ4
いつものように夜ご飯をお裾分けしようと自分の隣の部屋に住んでいるるすくんに会いに行った。
居ない時のための合鍵を使って暗い廊下を進んだ。
リビングにある机の上に置いてそのまま帰るつもりだった。
今思えば玄関をよく見ておけばよかったのかな。
突然聞こえた女の人の声。
鍵がかかってたはずなのになんで?
女の人の声が聞こえた部屋を覗くとるすくんと女の人が見えた。
何をしてるのかな?そんな軽い気持ちで聞き耳を立てていた。
だけどしていたことは軽く流せるようなものではなかった。
私は、2人が絡みあっているのを目の当たりにして動けなくなった。
20分ぐらい固まっていただろうか。
声がしなくなってもう終わったんだろうというのが分かった。
それでも震えてる自分の体を動かして帰ろうした。
ガチャ
ドアが開く音がして振り返ると半裸のるすくんがいた。
るすくんは驚いた様子もなく私を見て微笑んでいた。
部屋の中を覗くと女性は寝ていた。
「ごめん、るすくん。覗いて...でも、そんなつもりじゃ...!!」
る「分かってるよ。ねぇ、あの子起きちゃうからAの部屋で話そう?」
そう言って私の頭を撫でた。
るすくんはパーカーだけ羽織って私の部屋に来た。
さっきのを見てしまったせいかいつものように接することができなかった。
「何か飲む...?コーヒーにする?」
どうやって切り出せばいいかなんて分からない。
とりあえずいつものように..
る「ねぇ、Aってさ。好きな人、いる?」
リビングのソファーに座りながら笑顔を向けられる。
いるよ。
だって私は..
「いないよ。なんでそんなこと聞くの?」
そう言うとるすくんに手招きされた。
ソファーに一緒に座れってことらしい。
横に座ってるすくんの顔を見た。
る「俺はAのこと好きだよ」
そう言って抱きしめられた。
る「さっきは見せつけるみたいなことしてごめんね。Aがいるって気付いてた」
涙が出てきて視界が霞む。
るすくんの体がいつもより温かい気がして。
「怖かったんだよぉ...」
そう言って泣いてしまった。
「ごめん」小さな声でそう聞こえたあと私は押し倒されていた。
る「もう泣かせないから、いいでしょ?」
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ