【歌い手】サンプル【短編集】 (ページ11)

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サド　そらるページ11

そ「俺の言うことちゃんと聞けよ」

そう言って私の口を塞いできた。

学校の空き教室の中に二人きり。

普段使われてない教室は、光が遮られ、少し埃っぽい。

内側から鍵をかけただけの空間は、少しでも声を荒らげれば気付かれてしまいそうだった。

彼の執着的な口付けは長い時間続いて、終わった頃には息が荒くなっていた。

少し反抗的な気持ちがよぎり、睨み返すと冷めた眼を向けてきた
。

そ「なにその眼。反抗的な眼は要らないんだけど」

そう言って私の眼を塞いだ。

彼の手のひらで真っ暗な視界はもう使い物にならなかった。

私の身体は床に押し付けられ馬乗りされてしまった。

私よりも体重が重い彼が乗ってきて、お腹を圧迫されて、息がしづらい。

彼の舌が身体を這いながら少しずつ制服を脱がしていく。

そ「抵抗しないの?」

彼がそう言ってきたけど、私にはその問いについて答えるだけの余力はなかった。

答えずにいると、腕を強く掴まれた。

少し骨が軋む音がした気がして、焦りを感じる。

そ「これ以上言うこと聞かないならこの腕、本当に折るよ?」

そう言って脅す彼に恐怖を感じ、小さな声で謝罪する。

すると腕を掴む力を緩めた。

そ「まぁ、別に良いけど」

そう言ってまた私の身体を貪り始めた。

この終わりの見えない行為は始まったばかりで。

自分の身体を壊されそうになるのを恐れながら我慢するしかなかった。

だって私はそんな彼のことが......