ルリ子の報告 ページ10
たまには外でおしゃれしてご飯食べようよ。
ルリ子の提案で今夜は外食。
「かんぱ〜い」
今夜もルリ子はワインで上機嫌。
「今日はAにちょっと報告があって」
「リリーさん・・・でしょ？」
ルリ子がしゃべり始める前に先手を打つ。
「なんでわかった？」
だってお肌がツヤツヤだよルリ子。
「わかるよ〜何年友達やってる？」
「ふふっ・・やっぱりAはすごいわ」
どうやらこの前うちで一緒に飲んだあと
二人の関係は急速に進展したらしい。
っていうか初対面でしょ。
まぁ大人なんだから
めんどくさい段取りとか省いてもいいよね。
ルリ子らしい。
でも私はルリ子が恋をしてキラキラしているのが大好きなの。
ひとしきりルリ子の恋愛話に花が咲いた。
「ねぇ、A」
「ん？」
「ショックだったんでしょ」
いきなりの言葉に心臓がドキンと鳴った。
「何が？」
私はとぼけた。
「ねぇねぇ。何年友達やってると思ってるの」
さっきのわたしの口調を真似てルリ子が言った。
「でもさ・・光栄じゃない。アイドルに母親みたいとか言われて」
「ばっかじゃないの」
ルリ子の言葉はキツいけど・・言い方は愛情溢れていた。
「どうなの？」
「ショックだったよ・・・でも・・若くて可愛い彼女だっているし。私のことを母親って思うのが普通じゃない？」
「そう？」
「そうだよ・・それに私は彼に特別な感情を持っているわけじゃないもん」
「そうなの？」
「そうなの！！私はワカコさんの友達で、お世話係りで・・・たまにトモくんとも接触がある・・・って・・そんな感じなの・・。ただ・・・」
「ただ？」
「母親って言われると・・・なんか女性であることを無視されちゃったかな・・・って」
「マサがさぁ」
「マサって誰？」
「あ、彼の本名よ」
ふ〜ん。そうなんだ。本名で呼んでるんだ・・・。
「オンナ心がわかってないな。って」
「でも・・そこが彼のいいところなんじゃない？」
「とにかく！Aが女だ!ってことを知らしめなければなりません」
「いいよ。そんな事」
「よくない！よくない！」
知らしめたからって
何がどーなのって感じだよ・・・きっと
私はルリ子の肩越しに見えるキレイな夜景をみながら
心の中でそう呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Luna | 作成日時：2014年2月23日 11時
