【P】誰がいいとかありますか? ページ17
35階に着いて
俺はAさんと一緒にばあちゃんの部屋に戻った。
Aさんはキッチンで朝ごはんの後片付けを始めた。
俺はそんなAさんをキッチンカウンター越しに見ていた。
なんだか今日のAさんはいつもと少し様子が違う・・?
なんだろう・・・
いつもよりしっとりとした雰囲気を漂わせているような気がする・・・
「どうしたの?トモくん」
俺の視線に気がついてAさんが言った。
「いえ・・なんか今日のAさん・・いつもと少し違うかも」
「そう?」
「なんとなく・・・」
何がどうって
それは言葉にあらわせない・・・けど
なんだか・・そんなふうに感じた。
「洗い物してる母親を見てる息子の図って感じね」
俺はAさんの言葉に答えずに言った。
「あ、そうだ」
「?」
「前に、俺が聞いたじゃないですか?」
「ん?」
「ジャニーズで誰がいいとかありますか?って」
「うん・・・」
「誰がいいとかありますか?」
「ん〜・・・誰だろう・・・」
Aさんは真剣に悩んでいる。
え?なんで?なんで悩む?
俺は言った。
「Aさん、そこは山下智久。じゃない?」
「やだ〜トモくんったら。トモくんはダメよ」
Aさんが真顔で答えた。
「なんでですか?」
意外な言葉にちょっと驚いた。
「だってトモくんは息子みたいなもんでしょ」
「・・・・・」
「ん・・・そうだな・・・岡田くんとか?松潤でもいいかも」
なんだかすごく嬉しそうな顔をしてAさんが言った。
「あ、でも長瀬くんとかもいいわよね」
俺の名前ではない他のジャニーズの名前を言いながら楽しそうにしているAさんを見ていて
俺はだんだんイライラしてきた。
なんでイライラするのか訳がわからない。
もとはといえば自分からAさんにふった話しだし・・
「Aさん」
「なぁに」
「明日から俺朝ご飯どうしよう」
少しスネ気味に言ってみた。
「あら、作りに来るつもりだったけど」
「でもばあちゃんいないし・・・悪いよ」
「それは全然いいのよ。私だってごはん食べるんだし。ごはんを作るのはお母さんのお仕事でしょ」
優しく笑いながらAさんは言った。
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作者名:Luna | 作成日時:2014年2月23日 11時