87*戻った ページ44
数百年使ってすでに手足のように扱える空間系魔術で本来訪れるはずだった世界へとAは現れた
偶然か、それとも必然か、会議中だった会議室にAは唐突にその姿を見せ、室内全体を見渡しながら、各々椅子に腰を下ろす幹部達に目を向ける
フ「今、戻った」
X「おせぇ」
現れたAをザンザスは驚きの色も見せることなく、小さく睨み付けた
早く帰ってこいと言ったにも関わらず、自分が思っていたよりも彼女が戻ってくることが遅かったせいか、若干機嫌が悪そうだ
フ「あの通話の後にもいろいろとあったのだ、大目に見ろ」
ザンザスの機嫌が悪いと、下っ端幹部問わず青い顔をするのだが、Aはそんな素振りをまるで見せず、彼の左隣の席に座る
Aが会議に参加するようになってから、この場に椅子が1つ増え、ザンザスの左隣が彼女の指定席となった
ヴァリアー内だけで見れば、ザンザスに最も物怖じせずに話せるのはAであるためか、対等に意見できる立場という意味も込めてその席が選ばれたのだ
ス「しかし、また間のいい時に戻ってきやがったな」
マ「君のことだから、大方この時間を狙って帰ってきたんじゃないのかい?」
フ「まさか、たまたまだ」
その割には口元におかしそうな笑みが浮かんでいる
やはり、このタイミングに現れたのは確信犯のようだ
レ「空間の歪みの修復とやらは終えたのか」
べ「じゃなきゃ戻ってこねーっての、んなのすぐわかんだろタコ」
レ「なぬ!?」
フ「貴様ら、口喧嘩ならよそでしろ」
相も変らぬヴァリアーの様子にAはため息を吐く
しかし、こうやって戻ってきたのはいいものの、先程までと同じ顔ぶれの中にいるせいか、今一つ戻ってきたのだという実感が湧かなかった
だが、この場にはあの白く小さな姫はいない
その姿が見えなくなったせいか、この3日間少し控えていたキセルを取り出し、おもむろに、慣れた手つきで火をつけた
ル「ねぇ〜、それよりパラレルワールドの私達っていうのはどんな風だったのかしら?」
べ「あー、確かにそれ気になるな」
フ「ここの貴様らとさして変わらん・・・こともなかったか、少なからずの違いはあったな」
見慣れた黒い煙をゆっくりと吐き出し、この3日間のことを少し思い出す
確かに大元やほとんどの感性、性格などに変わりはなかった
だが、ラピスという存在がいることにより、ヴァリアー全体の雰囲気が少なからずここより柔らかかったような気がする
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか? (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます!!翼さんと相談してみますねw (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません!とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです!|ω')チラッ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます!続編は翼さんと相談しながらですねw (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
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