【怠惰な王子と元教育係】瞳の邂逅 ２【無償の………】

86＊夢 ページ43

《XANXUSside》



各々が紅茶を口にしながら、ドルチェも口にする。

そんなゆったりとした時間の中、全員の視線が自然と…………ある一点に注がれる。









レ「………………似とるな。」

ル「ラピスちゃん、頑張ったわねぇ♪」

ス「本人に似てるわけじゃねえけどなぁ゛。」

マ「でも、なかなかだね。」

ベ「しししっ、オレは結構好きだぜ？」









全員が視線を注ぐ、それは…………





ラ「ラピス……………作る、頑張る。」





ラピスがAから最初にプレゼントされた、ウサギだった。

しかし、服装が最初のメイドのような格好とは違っていた。

ウサギの服装は、





























Aと同じような服に変えられていた。





























ラピスがウサギサイズで作ったらしい。

ウサギ版Aと言ったところか。

なかなかに再現率が高い。



ラ「ラピス……………A、忘れる、ない。」



そう言ってウサギの頭を撫でるラピスは本当に幸せそうだった。

一方ウサギは、何故注目されるのか分からないとでも言うように、首を傾けていた。



















……………魔術師と再び邂逅する日も、そう遠くはねえだろう。

俺は何となくそう思い、ドルチェの甘味を紅茶で流した。

先程とは違い、紅茶は少し甘く感じた。









夢のように一瞬で流れた、この数日間。

しかしその夢は、忘れられること無く俺達の記憶に刻み込まれた。







































…………………あぁ、そうだ。









俺は、ふと思いつく。





今度Aがやって来たときは、酒を賭けてチェスでもやるか。





そう一人でほくそ笑みながら、俺は紅茶を飲み干した。

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