【怠惰な王子と元教育係】瞳の邂逅 ２【無償の………】

60＊レアクリア ページ16

フ「かけらも残さず消滅させるか消し飛ばせば奴らは再生できん、つまり、すべてを風化させる憤怒の炎とは相性抜群というわけだ」

X「はっ、とんだ雑魚だな」

フ「歪みが閉じれば外にあふれた歪も消える、邪魔な歪を消しつつ、私は歪みを閉じにかかる
貴様も大いに憤怒の炎を使うがいい、部屋全体に修復系魔術をほどこしたので いくら壊そうとすぐに直る」

X「ちったぁ気が回るじゃねぇか」

そうとわかればラピスを傷つけようとしたこの歪と呼ばれた物体を跡形もなく消し去るため、片手にラピスを抱えたまま得物を手に取る
Aも周囲に光の球体を浮かべ、ニヤリと不敵に笑みを浮かべている

X「カッ消えろ」

銃口から容赦なく放たれた光の鉄槌
幹部にあたりかねないほど口径は広げられたのだが、Aの無駄のない配慮により、彼らは透明なものに包まれて守られた

ザンザスの一撃によって一気に数が減り、その合間を縫ってAは無駄のないスマートな動きで黒い穴の方へと駆けてゆく
途中、歪が襲い掛かってくる場面もあったが、周囲に浮かべた白い球体が触れれば、歪はそれに飲み込まれて消えていく

歪を蹴散らし、穴の前にたどり着けば、その穴にすこし触れて瞳を揺らめかせる



フ「再生魔術 レアクリア」



そう唱えればAが振れている部分から白い光が広がり、黒い穴を飲み込んでいく
光はだんだんと強さをまし、室内を白く染め上げる
まぶしさに目を細めれば、幾分かマシになり、ものの数秒すれば光は弱まっていった
完全に光が収まった時には黒い穴も消え、そこにはいつもの見慣れた食堂が広がっており、歪の姿は跡形もなかった

フ「再生完了、もう歪みは消滅した、もう歪が現れる心配はないぞ」

フッとAが小さく笑うと、ベル達を守っていた結界を解く
結界が解かれると、ベルとマーモンは一目散にラピスのところへと向かった

マ「ラピス！大丈夫かい！？」

ラ「大丈夫……………」

それでも、やはりすこし怖かったのか、目にはすこし涙がたまっている
目の前に恐怖が去ったとはいえ、いまだその余韻はあり、ぎゅっとザンザスのシャツを握りしめていた

―――

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