【怠惰な王子と元教育係】瞳の邂逅 ２【無償の………】

58＊異変 ページ14

突然の轟音と大きな揺れ
抜群の身体能力と持つスクアーロ達は倒れることもなくしっかりと地に足をつけているが、ラピスは椅子から転げ落ちそうになったところを近くにいたルッスーリアに抱えられ、床に落ちることはなかった

揺れのせいで椅子の一部が倒れ、机の位置も若干ずれている
花瓶なども倒れ、これは破片の掃除が大変そうだ

マ「地震？」

べ「イタリアでこんなでけー地震なんて珍しいな」

ス「………いや、どうやらただの地震はなさそーだぜ」

ギロリと部屋の奥をにらみつけるスクアーロ
同時に殺気と強い緊張感もにじみ出ており、ほかの者達も気を引き締め、スクアーロの見る方を見つめる

ラ「うっ……………」

マ「あれは一体………」

部屋の奥に現れた黒い大きな穴
そこからなにやら人の形は成しているものの、ぐにゃぐにゃとした顔も何もない黒い物体がぞろぞろとこちらへとやってきているではないか

わけのわからないその物体に幹部達は警戒心を持ち、それぞれ武器を構える
ルッスーリアは泣きそうになっているラピスの頭を優しくなでると、できるだけその物体から遠い位置にラピスを下ろした

ス「う゛お゛ぉぉい………こりゃあ、また面白そーなもんが出てきたじゃねぇか」

べ「ししっ、つーか姫泣かせるとかマジありえねーし、サボテンにしてやんよ！」

小さな怒りを持ちつつ、ベルはナイフを1体の黒い物体へと投げつける
正直得体のしれない物体であったため、むやみに攻撃するのはどうかと思われたが、ナイフはあっさりとその物体の体を貫通した

べ「なーんだ、全然手ごたえねーじゃん、こりゃ楽勝だな」

マ「いや、まだだよ！」

貫通したところに穴が空いた黒い物体なのだが、その傷はすぐに治っていく
なにかしらあると思われたが、これは実に厄介そうだ

レ「これは時間がかかりそうだな」

ス「だが、やるしかねぇだろ、とっとと片付けるぞ！」

そして、各々近くにいる黒い物体に攻撃を仕掛けていく
だが、切ろうが殴り飛ばそうが黒い物体は再生を繰り返し、まるで効いていない

ス「チッ！切っても切っても再生しやがる！」

マ「しかもあの穴からどんどん湧いてくるよ！」

まるで数が減らないどころかどんどんと増えていく
しかも、黒い穴は徐々に広がってきているため、その増加量までも上昇し続けている

―――

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