#黄の話 ページ47
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聖羅side
うらたんを先頭に、僕らは歩き始めた
曲がってすぐAさんの家の前に着いた。
うらたんが震える指でインターホンを押そうとすると、僕らの好きで好きでたまらない声が聞こえた
『取扱説明書があればいいのになぁ』
なんのことだかさっぱりわからないが、上を見上げると、Aさんがベランダで黄昏ていて
「…へ」
と不意に落ちた僕の声に気づくなり、顔を真っ赤にして部屋へと入って行った。
「…なんやあれ」
4人で顔を見合わせもう一度ベランダを見ると、カーテンの隙間からAさんが顔を覗かせていた
再び目が会うとシャッとカーテンを閉めた。
「何してるんやろAちゃん…」
あの志麻くんも苦笑いでカーテンを見つめる
Aさんがいるであろうところを、4人全員が目を向ける。
痺れを切らしたのか、Aさんはまたカーテンの隙間から顔を出し『…今降りるから待っててください』とだけ言って、カーテンを閉めた。
その後、数秒間家の中からドタバタと何かが暴れるような音を聞いた後、目の前のドアがゆっくりと開けられた。
『…なんのご用ですか』
ドアから顔半分だけを覗かせたAさんは、少し怯えているようだった
その怯え具合に申し訳なさを感じる僕を含め3人と、グイッと近づき無理やりドアを開ける1人。
「なんで俺に言わなかったの」
『何がですか』
「大晦日のこと」
『…誰が言ったんですか』
淡々と話し、徐々に近づくうらたんに引けを取れたAさんは、チラッと僕らに助けを求めるように視線を向けた
しかし、それを見たうらたんは、さらに不安を募らせた顔つきに変わってしまった
「誰が、じゃなくて
どうして俺だけに言ってくれなかったの
そんな頼りないかなぁ」
徐々に気力をなくしていくうらたんの声色に、Aさんは焦りを感じるような表情になった
『そういうことじゃないです、ただ単に浦田先輩には知られなくなくて…
その経緯にあたっては自分でもよくわからないんですけど
とにかく、先輩が頼りないってわけじゃないです』
声色に焦りを感じさせながら、言葉を選びながらうらたんを引き剥がそうとするAさんだけど、それも叶わず
「あら、Aと彼方のお友達かしら?
よかったら中へどうぞ」
Aさんの後ろから顔をのぞかせたのは、Aさんのお母さんで
どうしてもお母さんに知られたくなかったようなAさんは心底面倒臭そうな顔をしてドアの外へ出た。
『…少し、歩きませんか』
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なおみ(プロフ) - 栗山さん» はい!新作o(。>∀<。)o 飛んでいきます〜(´∀`*) (2018年4月4日 1時) (レス) id: 73e619451a (このIDを非表示/違反報告)
栗山(プロフ) - なおみさん» なおみさんお久しぶりです!!はい…完結しました…!!ご愛読ありがとうございました!実は今新作出してて…うしさせも出てるのでぜひ作品欄から飛んでください…!!!!← (2018年4月4日 1時) (レス) id: 0cac728535 (このIDを非表示/違反報告)
なおみ(プロフ) - 完結してたこと気が付かなかった…。完結おめでとうございます!(もっと見たかった〜けど。) (2018年4月4日 0時) (レス) id: 73e619451a (このIDを非表示/違反報告)
なおみ(プロフ) - 栗山さん» よろしくお願いします((○'ω'○)) (2018年3月3日 10時) (レス) id: 73e619451a (このIDを非表示/違反報告)
栗山(プロフ) - なおみさん» なおみさん…!!じゃんがじゃんがです笑ありがとうございます…!!今後ともよろしくお願いします|・∀・*)ノ (2018年3月3日 10時) (レス) id: 0cac728535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗山 | 作成日時:2017年10月25日 20時