【歌い手】俺たち、君の運命の相手です。【浦島坂田船】

#あけまして。 ページ37

.




寒い寒い部屋を出て、紺色のマフラーを巻く


玄関のドアから差し込む光はなく、みんなの明るい話し声しか聞こえない


寒くて、真っ暗。



そんな吸い込まれそうな暗闇は、あの頃を思い出させるのには十分だった



あの秋の体育倉庫は、暗く寒かった。



あの頃は、今みたいには強くなかった。


言われたら言われたまんま、だったから
裏でも表でも言いたい放題言われてて

それでも尚助けを求めなかったのが悪かったのか


そんな中手を差し伸べてくれた先輩に、のこのこと付いて行って。
閉じ込められて。

あれだけ先輩の名前を呼んでも、すぐそばにいたのに助けに来なかった先輩だけど

あの頃のあの気持ちは、きっと恋だったんじゃないかな、なんて思う

まぁ、独り身だったからっていう寂しさからの執着でもある


今思えば中途半端で散々な恋だったな、とも思う




でも、あんなのすぐに忘れて

今は体ごとフワフワしてて

きっと、あの人達に出会ったから…だと思う



出会いはなんともないし
そこまで接点もない。

なのに、あれだけ血相変えてあたしを探してくれて



正直、すごく嬉しかった



だから、今年もあの人達と

楽しく過ごせたらな、って思う




ほら、さっきまで真っ暗だったドアの向こうと、自然と明るく見えてくる


あの人達の、優しい、暖かい色で灯される灯火みたいに


綺麗な色が彩られて


すぐに手を伸ばしたくなる


でも。自分から行くのはまだ勇気がない


だから


「Aちゃん〜？」

「まだ？なんかあった？」

「早よ行きましょ〜！」

「思いっきり体冷えてしまう…」



ドアの向こうからの、緑色、紫色、赤色、黄色。


そして、いつも背中を押してくれる


「行くよ、A」

青色。



今年も、このみんなの、素敵な色に

染め上げられますように。




〜〜〜〜

みなさんあけましておめでとうございます！！

栗山は元気です！！宿題終わりません！！

やっとこさ落ち着き始めたので、すこ〜しずつ更新再開を予定しています！
今月末推薦なんですよね…むり…

とまぁ命ギリギリの駄作者栗山は頑張りますので

今年もよろしくお願いいたします…！


『こっちもよろしくね〜〜！』
前編
【歌.い.手】男装歌い手はじめました【そらる】
後編
【歌/い/手】男装歌い手始めました 2nd.【そらる】




.

#紫の話→←#緑の話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す