【歌.い.手】男装歌い手はじめました【そらる】 (ページ5)

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#05 机バンページ5

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「ねぇ、Aさんいつ真冬くんと彼方くんと仲良くなったのぉ？！」

『えぇ…』

今は、というと。

クラスの中心的可愛い()愛生ちゃんに机バンされてる。
愛生(あい)ちゃんとは。
この地域一帯を牛耳るお金持ちで、名前の通り愛されて生きてきた子なわけで
「自分こそ正義」と思っちゃってるちょっと残念な子。

それに、周りの女子からの目線が痛い

なぜこうなった…！

ときは戻って2時間前。

起きて、朝ごはんを食べて…あ、そこまでいらないか

じゃあ50分前。

朝のHRで転入生が2人きた。

正直転入生なんてどうでもよかったから窓際の最後尾の特権を使って窓の外を眺めていた

あ、あの雲昨日の人…彼方さんだっけ、似てる

なんて幻覚みたいなものを見ていたら頭に響く声が。

女子のかん高い悲鳴。

…悲鳴？

サッと青ざめて黒板の方を見ると小さい天使と無気力で眠そうな人が。

…その2人に、見覚えがあった。

2人と目が合い、互いに目を見開きあって

『えーっ』

と多少某予想な少女漫画でよくある展開を迎えたのだった。

そんな中、これから関わらなければなんも問題ない。大丈夫、と1.54秒で考えた。

生憎、今日は素の自分でいた。

…くそ、なんてタイミング悪いんだ

今朝、男装しようと考えてやめた自分を殴り飛ばしたい。

そのせいでただでさえ男装した自分…まぁイケメンなのか知らないけど、かっこいい“双子の兄”をもつ(設定ね細かいことは気にするな！)地味でダサいあたしをよく思わない人たちからの目線が痛い。痛い痛い。

男装した自分は双子の兄で、兄が学校に出れない日は変わってあたしAが出てるっていうわけわからない設定で。

なぜみんな鵜呑みにしてるのかもわからないけど！

だから席も同じ。まぁ当たり前だけどね

２つの理由が混ざった鋭い視線が、頭からつま先まで突き刺さる。

あぁあたしの平和な高校生活よさようなら…

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