【歌.い.手】男装歌い手はじめました【そらる】

#23 ぶつかり ページ23

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『あっねぇ、あのケーキ食べたい』

この前のお詫びも込めておごるから、と2人を誘うと首を横に振られた

用事でもあるのかな…

『え、ここで。じゃあばいばい』


すっかり用事があるから断られたと思ったあたしは、校門の前で2人に背を向けた


「「いやいやいやいや」」

『いやいやいや』

ついてくる。ついてくるぞ。

『いやどっち』

行くの、行かないの、と少し怒り目に聞くと、そらるに頬をつねられた


「仮に貸しがあったとしても、女の子に奢らせるなんてしない」

『紳士かよ』

「そらるさんは紳士です」

どや、と少しだけ威張るそらる。

今日何度目かの可愛さ。

でもでもでも、いま外見小林兄だから。控えよう。
という意を込めてそらるの脚を踏んだ。あは←



「でもっ、ケーキ食べたいなぁ」

そらるとあたしの間に入るまふは、上目遣いをしてあたしを見る。


『じゃ、いこーよ』


そう言って歩き出した。



…周りの女子からの目線が痛いけど。


今日の教室での出来事を知らない女子たちは、きっと小林兄とそらるまふが歩いてるように見えるんだろうな

呑気でいいこと


少し毒吐きながら、足を早める


と、下を向いていた為、曲がり角でぶつかってしまった

『っとあ、すみません…前見てなくて』

軽く頭を下げて、誰か確認するために顔を上げる


すると目の前には整った顔が。


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