【覆面系ノイズ】放課後、旋律がきこえる【杠花奏】 (ページ50)

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# 49&お知らせページ50

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Aside

『…もう少しだね、RH』

すっかり辺りは暗くなり、親から心配の電話がかかってきて。
送る、と言ってくれたユズくんと電車に揺られながら、ボソッと呟く

ユズくんはハッとしたような顔で、肩を震わせた

『そうか…A…っじゃなくてアサヒの生歌聞きたかったなぁー』

なんで被るんだ、と口をとがらせるユズくん

『それにさ、深桜も同じ時間』

まるで思い出のように深桜がいた頃のイノハリの話をするユズくんは、幸せそうで。

少し切ない。

…そっか、

深桜は黒猫、ユズたちのイノハリ、あたし…の時間丸被りなんだっけ。

深桜のもユズくんのも生見たかったなぁ

『ま、後から見れるじゃない？』

まだ不貞腐れた様子でご機嫌斜めなユズくんに促すように言うけど、聞かなくて。

まだブツブツ言ってる。

…思い出すなぁ

『病院の先生にもそんな感じだったよね』

『なっ、僕は成長してるよ！』

と意地を張って身長を強調するけど、残念ながらあたしの方が少し高くて。

今度はしょげてる。

それから、昔の事をたくさん話してた

深桜の話、クロちゃんの話、ハルヨシの話

そして

『なんでAは一年生で編入してきたの？僕とハルヨシと同い年のはずだよね』

…いつか突っ込まれると思ってた。

あたしはユズくんとハルヨシと同い年で。

実際は二年生のはず。

これは深桜にも聞かれたし

『…まぁ、色々あったのよ』

ユズくんから目をそらして、足元を見ながら答えた。

『そっ…か』

隣からは気の抜けた返事が返ってくる。

ごめんね、ユズくん

いつか…いつか、ちゃんと全て教えるね

全てが片付いたら。

気がついたら、降りる駅に着いていて

ユズくんに手を振って電車から降りる

ユズくんはどこか寂しげで、なにか呟いている

それがあたしには聞こえた

『やっぱり、もう…』

『あたしは変わってないよ』

閉まり始めたドアの隙間から、訴えるように呟く。
その呟きをユズくんは拾えなかったらしく、くるりと背を向けた

ユズくんとあたしの、2人の時間が終わった。

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中途半端なところではありますが、続編に続こうと思います。
続編では、Aさんの過去やRHで盛り上げようと思います。
ここまでのお付き合いありがとうございました。
「放課後、旋律がきこえる」第1作目、これにて終了いたします。
続編でもよろしくお願いいたします。