【覆面系ノイズ】放課後、旋律がきこえる【杠花奏】 (ページ17)

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# 16 ページ17

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Aside

「じゃあ、Aさんの席はあそこね」

“いちおう新入生だが病気で入学式に出席できなかった”という建前の自己紹介が終わり、先生に席を指定される

ひぇー、知ってる人いないし……まぁそうだけど

なんでモモは特進なの？ずるいよ！

周りからの視線にビクビクしながら席に着くと、先生がパチンと手を叩く

「さて、少し早いけどこの辺で終わり！
皆、Aさんと仲良くね」

笑顔が可愛くて、素敵な先生

でも待って先生あたしを置いて行かないで？！

幸い、寝坊して登校したのが午後だったため、いろいろあって最後のHRでの自己紹介となった

が

「なぇねぇ、Aさんてどこ中だったの？」

「髪の毛綺麗だねぇ～、羨ましい！」

「なんの病気なの？」

きたーーー質問責め…

むりだよむり…人怖い…

モモ…早く迎えに来て、モモ

「ねぇってば！Aさん！」

『ひゃい？！』

いきなり顔を近づけられ、びっくりして変な声出ちゃった。

『え、あ、その…えっと』

たくさんの眼に見られてる

怖い

怖いよ…モモ、早く来てよモモ！

『…A、いますか』

怖くて涙が出そうなとき、前のドアからモモの声がした。

『！モモっ』

急いで鞄を持ち、モモのもとへと駆け寄り、後ろに隠れる

怖い、まだ足が震える

モモの後ろで震えていると、モモが口を開いた

『…コイツ、人が苦手なんで…そんな喋りかけたら混乱起こすんで』

静かに、優しい声で

あたしを守ってくれた？

その言葉を聞いたクラスメイトたちは、おどおどと謝って来た

「え、あ、そうなんだ…ごめんね、Aさん」

少し寂しそうに言う彼ら

『…や、うん、だいじょぶ、です』

カタコトにはなってしまったけど、きちんといえた、自分の言葉で

『明日から、また…よろしくお願いします』

そう言ってお辞儀をすると、皆笑ってくれた。

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『人が怖いのもわかるが、いい加減直せよ』

『むー、わかってる～』

場所は変わって、今は屋上。

昨日のように、また音楽室で歌おうとしたらモモがダメって。

それに、屋上ならユズくんに声が届くんじゃないかって言ってくれた

この学校にユズくんがいなくても

『…すぅ』

世界中に声を届けて、いつか

『ーーーー♪』

ユズくんに、会ってやるんだ

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