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放課後、みんなが教室から出ていって人口密度がぐっと減った。
もう秋だ。辺りは夕焼けが夜の空と混ざって淡い紫色になっている。
「飛鳥ー、帰らへんの?
お迎えとか来るん?」
「うんう、宮くんに待っとけって」
まりちゃんがふうん、ととりあえずの返事をする。
そしてそや、と切り出して私の机に腰掛ける。
「侑くんとどうやった?」
「どうやった、って何が?」
私がきょとんとしているとまりちゃんはしらばっくれないで、と私の耳元で。
「久しぶりに会ったんやろ?
チューの1つや2つ……それ以上やって、なぁ?」
分かるやろ?私に同意を求めるような目配せ。
けれど全く意味がわからない。
そんな私の顔を見てまりちゃんはえっと短い言葉を漏らす。
「もしかして、覚えとらんの?」
「なにを?」
まりちゃんがそう言うとまた体を私に寄せて囁くような声で言う。
「侑くんとあんた、付き合っとったんよ」
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作者名:栗原 | 作成日時:2018年10月7日 19時