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私は記憶喪失らしい。
といっても、日常生活において重要なことは何一つ忘れていない。
忘れたのは思い出。
肉親である2人のこと、入院中にお見舞いに来たクラスメイトのこと
生まれてから16年の記憶。
私は初めて自分の部屋に入った。
前の私がどんな人間だったのか、知ることは怖かった。
部屋にある写真、アルバム。
スマホのデータ。
全てを調べて私という人間がどんどん自分の中にできていく。
今の私が前の私の劣化版のような気さえしてきて私はアルバムを閉じた。
明日から、私は普段通りという名の新鮮な気持ちで学校に通う。
交友関係を予習して、今までの私と何ら代わりのない私になりきってみせる。
そう意気込んで、私はベットに入った。
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作者名:栗原 | 作成日時:2018年10月7日 19時