11: confrontation ページ12
「昨日宮侑に『喧し豚』って暴言吐かれたんやけど、最悪やない？」
侑くんのいない二組の教室で、昨日の練習に来ていた女子の陰口が聞こえた。
どこに行っても女子は陰口好きだなあ。
「イケメンでもさすがにそれは無いわ、性格悪すぎやろ」
「せっかく応援しに行ってあげたのに…」
なんかムカついて、気付いたらその子の机の前に立っていた。この先はノープラン。
「あいつも言い過ぎだったと思うけど、練習を邪魔されるのは嫌なんだと思う」
嫌いなはずの侑くんを弁護する様な言葉が口から出ていた。
「それでもファンにそないな態度取るんはさすがに失礼やない？」
そう言い返されると、悪気はないんだと思うけどカチッときた。
「あいつはファンのためにバレーしてるんじゃない。とにかくバレーが大好きで、毎日めっちゃ真剣にバレーしてるんだよ。
だから、それを邪魔するほうが失礼なんじゃないかな」
「うっ…」
何も言い返してこなかった。いや、言い返せなかったんだと思う。
アメリカ仕込み、なめんなよ。こういう時はハッキリ言えるんだから。
「ほー、よぉ分かっとんなァ」
一部終始を見ていたのか、侑くんに声を掛けられた。
「マネージャーなので」
「フッフ。せやな」
これは、侑くんにマネージャーとして認められたのだと認識して良いのだろうか。
「ありがとな」と、頭をポンっとされた。
優しい手つきと初めて聞く感謝の言葉に、複雑な感情を覚えた。
12: lunch talk→←10: first-name basis
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作者名：ありさ | 作成日時：2020年6月16日 17時
