爆発物処理班のWエース ページ42
私は寝ている陣平と研二の間に挟まれて座っていた。
先程の自分の行動を思い出してなんて無謀な真似をしようとしたんだと呆れる。
私が警察官じゃなければ、絶対あんなことしようとすらしなかっただろうな…はは
私は鍛えていたから普通の女子より体力と力と筋肉があったけど…それでも運ぶことは出来なかったし。
てかよくあれで研二起きなかったな。アルコールは怖いね。
呼吸が落ち着いてきて、私も運転席に戻ろうと研二の上を跨いで外に出た。
否、出ようとした。
離れようとした瞬間、何か強い力に腕をぐいっと引っ張られ、私の身体はそのまま元いた場所に引きずり込まれていく
「…え」
驚いて私の腕を掴む先を見れば、陣平が私の腕を掴んでいて、そのまま後ろから私を抱きしめてくる
「…いくな」
「陣平…?」
「俺を置いて行かないでくれ…頼む」
震えるような声に、彼らしくない言葉に驚いて振り向いて彼の顔を見れば、バチッと目が合った
陣平はまだ完全に起きていないのか、重い瞼を無理矢理開けるように少しだけ目を開けている
少しだけ、その目は潤んでいて。
体が密着した状態で振り向いてしまったので、思ったより近かった距離に焦りながら私は前に向き直った
「ど、どうしたの?…なんかあった?」
「A…おれから、はなれん、な…」
彼は睡魔に勝てなかったのか、どうやら眠りについたようだった
「…」
嫌な夢でも見たのだろうか。
昨日飲みすぎたのも何か理由があったのか。
きっと後日聞いても彼の性格上言わないだろうし、うざがられるほどどれだけ聞いても教えてくれないだろう。
ならば私は、私に出来ることはたった1つ。
「どこにもいかないよ。私は、陣平の…みんなの傍にずっと居るよ。大丈夫。置いていかないし、ひとりになんてさせない。…誰も死なせてやらないんだからね」
彼はもう眠っていて、この言葉は届いていないけれど、私は優しく伝えたのだった
「陣平のばか…ばかだよ、ほんと。置いていくわけないじゃん」
後ろから回されたままの腕に手をかける
彼の逞しい腕と、その先に伸びた綺麗な手。
この手で、いくつもの爆弾を解体してきたんだね、今までも、これからも。
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茉優花(プロフ) - 彩豊さん» 沢山コメントありがとうございます!読み返してもらえて凄く嬉しいです…!応援、すごく励みになります!これからも楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2022年10月27日 23時) (レス) id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!萩原くんを助けられてよかったです✨組織潜入はドキドキしました(>人<;)凄く面白くて読み返しています(*≧∀≦*)応援してます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2022年10月14日 11時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
茉優花(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!嬉しいです…!そのお言葉がとても励みになっております!!これからもよろしくお願いします!( ¨̮ ) (2022年7月21日 20時) (レス) id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - とっても面白くて何回でも読んじゃいます!今では仕事帰りの楽しみです笑笑 (2022年7月21日 18時) (レス) @page50 id: cf5d2ac92c (このIDを非表示/違反報告)
茉優花(プロフ) - 皇さん» コメントありがとうございます!そんな事を言って頂けてとても嬉しいです…!原作リスペクトの気持ちを込めてなるべく近いように書かせて頂いております!救済してるので所々変わってしまう所はあるかと思いますがこれからも楽しんで頂けたら幸いです!( ¨̮ ) (2022年7月16日 10時) (レス) @page31 id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉優花 | 作成日時:2022年5月30日 4時