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何かと思って慎重に覗きに行けば、何やら零が慌ただしくキッチンを動き回っていた






「…零?」






「あッ、いや、これは、その…」






「…」







料理を作ってくれていたのか。





私がちゃんと食べてなかったのもきっとバレてるんだろうな









にしても…








「こげ臭…」





「す、すまないッ、慣れなくて…」






そうか、22歳のこの時はまだ料理下手だったもんね…




まだからっきしの時だ






こんな姿見られるのも今のうちだな…





「ふふ、冗談。ありがとう」




「いやでもこれじゃあただ負担を増やしただけだ…」





「そんなことないよ。これ、食べていい?」






「な、何を…!それは焦げているし失敗したやつで…!」






零の制止も無視して私は1口手に取って食べた



「…」



「ま、不味いだろう…だから食べなくていいと言ったのに…!」



「んーん…美味しい…」



そ、そうか…?と顔を赤らめる零をみて私は思わず微笑んだ






「零、本当にありがとう。これ本当に美味しいよ」




味は本当に美味しかった。焦げてたけど。






結局焦げていたハンバーグらしきものを2人で平らげ、零に皿洗いをしてもらっている










「次は…もっと上手く作るから」




「え、また作ってくれるの?嬉しいなぁ」




「…ヒロに教わっておく」




「景光くんの料理も食べてみたいな…美味しいでしょ?」




「あぁ、もう絶品だ!ヒロの料理には誰も勝てないよ」




そうだろうな〜と思いながら私もキッチンの掃除を続ける






「…景光くん、元気? 卒業してから1回も会えてないから」





「あぁ、元気だよ。ヒロもAに会いたがってた」






「そっか…近々会えるといいな。6人でも、また…」





「…そうだな」






それ以上零は何も言わなかった







きっと潜入捜査をしている私に気を使ってくれたのかもしれない







やっぱり、貴方は素敵な人だね、零…








「零、ありがとうね」





「お礼なら沢山もう聞いたけど…」






「そばに居てくれて」




「…!」





「もう、おかしくなりそうだったの…だから、今日、会えて嬉しかったよ」




「A…」






組織の人間と一緒にいるのはとても窮屈だ





血の匂いがして、息苦しくて、ずっと居たら麻痺してしまいそうだった






正義とはなんだったか、忘れてしまいそうになる






ねぇ零、貴方はいつもこんな思いをしていたの…?

.→←特訓



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茉優花(プロフ) - 彩豊さん» 沢山コメントありがとうございます!読み返してもらえて凄く嬉しいです…!応援、すごく励みになります!これからも楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2022年10月27日 23時) (レス) id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!萩原くんを助けられてよかったです✨組織潜入はドキドキしました(>人<;)凄く面白くて読み返しています(*≧∀≦*)応援してます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2022年10月14日 11時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
茉優花(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!嬉しいです…!そのお言葉がとても励みになっております!!これからもよろしくお願いします!( ¨̮ ) (2022年7月21日 20時) (レス) id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - とっても面白くて何回でも読んじゃいます!今では仕事帰りの楽しみです笑笑 (2022年7月21日 18時) (レス) @page50 id: cf5d2ac92c (このIDを非表示/違反報告)
茉優花(プロフ) - 皇さん» コメントありがとうございます!そんな事を言って頂けてとても嬉しいです…!原作リスペクトの気持ちを込めてなるべく近いように書かせて頂いております!救済してるので所々変わってしまう所はあるかと思いますがこれからも楽しんで頂けたら幸いです!‎( ¨̮ ) (2022年7月16日 10時) (レス) @page31 id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉優花 | 作成日時:2022年5月30日 4時

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