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｢…あ、ありがと｣
そんな事、同年代の奴に真っ直ぐな目で言われるとは思わなくて、あからさまに動揺をした。
だけど彼はまたそれに触れることも無く、俺の返事を聞くと嬉しそうに笑った。
とても印象的な笑顔だった。
ブー、ブー
停止した思考を、ポケットで震える携帯が呼び戻す。
いつもはそんな事ないのに、その着信に身体を跳ねさせ慌てるように電話を取った。
｢……あ、うん、今、学校の友達と…うん…｣
転校初日から帰宅が遅いものだから、道に迷って家に辿り着けないのではないかという母親からの心配の電話だった。
もう高校生なんだから一人で帰れるわと呆れながら早々に電話を切ると、物凄く興味深そうに俺の顔を覗き込んでる彼に気づく。
｢……なに？｣
皆から質問攻めにあっている時も、彼は俺にそのキラキラした視線を向けてくることは無かったから。
俺は不思議そうに首を傾げた。
｢すっげえ。東京人って学生も携帯持ってんの！？｣
｢え、携帯持ってないの？｣
逆に俺はその言葉に素直に驚いて、手元のガラパコス携帯をパチンと閉じた。
それをポケットに仕舞おうと思ったら、｢貸して貸して！｣と言われたので仕方なく携帯を手渡すと、ボタンを押したり、アンテナを引っ張ったり、さすがに初めて見た訳ではないだろうに、子供のように瞳を輝かせる彼が何だか可笑しかった。
｢高校の入学のタイミングで買って貰った｣
｢すげぇな〜島じゃ大人でも持ってる人少ないかも｣
ポチポチといろんなページを開いては感心している彼の動きに遠慮はない。
メール画面を開いてたまたま見えた前の学校の女子生徒の名前に｢これ彼女？｣と質問されたので、そこにはすかさず｢違う｣と返した。
実際、携帯を持っていると言っても、これでゲームが出来る訳でもないし、実際着いているテレビ機能を使っても画質が追いつかず見ていられないし。
本当に家族や友達とメールするくらいに活用してるだけだ。
｢友達の家とかもここじゃみんな近いから、急用でも直接喋った方が早いって。前、親にそう言われた｣
だから、彼の話を聞いてとても納得した。
みんなが顔見知りなこの小さな島では防犯用で持つ必要もないし、メールをする必要もないのだろう。
わからないけど、携帯ショップなんてものもないのかも知れない。
やっぱり全然環境が違う所に来たなと、またこの先を不安に思いながらも
結局この日は、日が暮れるまで彼と話をした。
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あんこ(プロフ) - ユリアさん» ユリアさん！ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ＾∀＾ﾟ)ﾟ｡時間かかってしまいすみませんでした！是非、ゆといの楽しんで頂けると嬉しいです！！ (2018年9月30日 12時) (
レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
ユリア - あんこさん、完結おめでとうございます！遅くなってすみません。まだ最後まで読んでいないのでゆっくり読もうと思います！新作はやまいのですね！やったーー(*´ω｀*)嬉しいです。新作の方も楽しみにしてます！ (2018年9月30日 0時) (レス) id: 5d6e48b7e5 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - めめさん» ありがとうございます！！1番しっとりした作品にするつもりです。見守って頂けますと幸いです。よろしくお願いします！ (2018年9月15日 23時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - すごくしっとりしたこのお話の世界観が好きです。更新頑張ってください！ (2018年9月15日 22時) (レス) id: edc3e92603 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 佐々木さん» 佐々木さんコメントありがとうございます(/*´ `)/いやむしろドキドキ初挑戦中です(笑)ytin.....頑張りたい！！！(笑) (2018年7月3日 22時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ
| 作成日時：2018年6月16日 22時
