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ここからの1週間は、引っ越しの準備に慌しくあまり覚えていない。
実際、帰る事を報告したら喜んでくれる東京の友達もいて、俺の気持ちは複雑だった。
やっぱり俺が居る場所は東京だと自分に言い聞かせていたけれど、結局引っ越しの前日にクラスの奴らが盛大に行ってくれたお別れパーティーで大号泣したのも覚えている。
強がったところで、俺はもうこの島が大好きだったんだ。
勿論、この数ヵ月の間に思い出は溢れ返っている。
だけど一番、大きな思い出として残っているのは、
この日の夜。
引っ越し前夜の事だ―。
「…裕翔」
一応平静を装ってみたが、君の声を聴いて心臓が飛び出そうだった。
それは、引っ越すと告げてから少し気まずくなった君との関係からか、それとも、君に会えると信じてこの星の見える丘へ来たら実際に会えた喜びからか。
…やっぱり当時の俺にはわからなかった。
「ここに来たら、会える気がした」
いつかも言っていた台詞をにっこりと微笑み、呟く君。
照れ臭くて、なんて答えていいかわからず黙っていたら、いのちゃんはそのまま俺の横に並ぶようにして腰を降ろす。
涼しい夜風が、夏の終わりを教えてくれているような気がした。
俺達の間には、相変わらず会話はなかった。
「今日は楽しかったね」と他愛のない話題を投下しようかとも思ったが、俺はいのちゃんの言葉を待った。
ここに来てくれたということは、きっと何か俺に話したいことでもあったのではないかという狡い考え。
「…星が」
「え」
「星が奇麗だね」
だけど待ちに待って、いのちゃんが口にした言葉は、なんてことない星の感想だった。
何度も、何度も、君と見たこの星空に対する今更の発言に、俺はつい気が抜けて笑いが零れた。
「ふ…っ、そうだね」
そうだ。
君とのこういう時間には、不思議と違和感はないんだった。
俺の返事に、いのちゃんはなんだか恥ずかしそうにはにかむ。
その顔につい見惚れそうになっていると、いのちゃんはまた星空を見上げたので、俺も慌てて空を仰いだ。
こんな広い丘に、２人で体育座りをして、傍から見たら全く変な光景だったと思う。
「……」
丘の上にまた冷たい風が吹き、少し肌寒いと感じた時、
身体の一部にそれに反した熱を感じた。
…どっちからその手を繋いだのか。
そんなこと、覚えていない。
この時の俺には、そんなことどうでもよかった。
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あんこ(プロフ) - ユリアさん» ユリアさん！ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ＾∀＾ﾟ)ﾟ｡時間かかってしまいすみませんでした！是非、ゆといの楽しんで頂けると嬉しいです！！ (2018年9月30日 12時) (
レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
ユリア - あんこさん、完結おめでとうございます！遅くなってすみません。まだ最後まで読んでいないのでゆっくり読もうと思います！新作はやまいのですね！やったーー(*´ω｀*)嬉しいです。新作の方も楽しみにしてます！ (2018年9月30日 0時) (レス) id: 5d6e48b7e5 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - めめさん» ありがとうございます！！1番しっとりした作品にするつもりです。見守って頂けますと幸いです。よろしくお願いします！ (2018年9月15日 23時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - すごくしっとりしたこのお話の世界観が好きです。更新頑張ってください！ (2018年9月15日 22時) (レス) id: edc3e92603 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 佐々木さん» 佐々木さんコメントありがとうございます(/*´ `)/いやむしろドキドキ初挑戦中です(笑)ytin.....頑張りたい！！！(笑) (2018年7月3日 22時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ
| 作成日時：2018年6月16日 22時
