【鬼滅の刃】心が読める…はずなのにな…

32話 【心臓の鼓動】 ページ42

夜が来た…




〜霞柱様「また明日此処に来てもいい？」〜




また庭から屋根に登る




シャキン




昨日の満月から少し削れた月に刀を重ねる




透明の刀に自分の眼が反射した




…まだ好きではない、善逸たちは怖がらずに私と接してくれる…けど




それは善逸達が優しすぎるから…普通の人はやっぱり怖がる




たまに鬼を倒したあと、怯えた子の元に行くと逃げられることがある…




それが普通…私は不満や怒りが出るわけではない




けど…悲しい…




霞柱様「それが手入れ？」




『!!』




振り向くとそこには…




『霞柱様…』




霞柱様は静かに隣に座る




霞柱様「透明な刀、初めて見た」




『刀鍛冶さんからも珍しいと言われました』




霞柱様「そうなんだ、月に重ねると何かあるの？」




『はい、こうして月明かりに当てると刃こぼれが直るんです』




霞柱様は「へぇ〜」と私の刀を持つ手に触れた




霞柱様「僕もやりたい」




『どうぞ』




私は霞柱様に日輪刀を渡す




霞柱様は私と同じように月に日輪刀を重ねる




霞柱様「綺麗だね…」




『はい…この時間は考え事をしながらするのですが、眼の前を見ると美しい刀があるので、心が落ち着きます』




霞柱様「何を考えてるの？」




霞柱様は顔だけこちらに向ける




月明かりに照らされて、綺麗な顔立ちが更に引き立つ




『えっと…自分の瞳の事とか、最近大切な仲間達が私のせいでひどい怪我をして…』




霞柱様「仲間って？」




『炭治郎と善逸と伊之助です、炭治郎は柱合会議に居ました』




霞柱様は「あぁ…」と言い刀の方を見る




霞柱様「眼は？」




『眼は…何でこんな眼なんだろうとか、たまに…助けた人に怖がられるので…』




霞柱様「おかしいね…その人達、だって…」




霞柱様は言葉の途中で私の頬を持つ




霞柱様「こんなに綺麗なのに…」




霞柱様の瞳が私の瞳をじっと見つめる




『あ…あの…』




また心臓の鼓動が速くなる




霞柱様「Aは自分の眼…好き？」




『昔よりは…嫌いじゃないです』




霞柱様「そう」




霞柱様は離れ、膝に置いた日輪刀を見つめる




霞柱様「だいぶ刃こぼれ治ったね」




霞柱様が日輪刀を渡して下さる




お礼を言って受け取り、刀を触る




水晶のような滑らかな触り心地…




霞柱様「じゃあ、僕帰るね」




私はお辞儀をして日輪刀をしまった




カシャン




そして屋敷に入った…

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