＊ ページ31
「あれ…？マコ？」
撮影タイムが終わって、さっきマコが居た所に目をやると、そこに彼女の姿はなかった。
「はぐれちゃった…」
とりあえずマコに「今どこ？」とメールを入れて、フラフラと歩き出す。
途中、何度か声を掛けられて撮影タイム。
もう慣れたものだ。
「あ、そうだ。二宮くんに送ってあげよっと…」
せっかくこの衣装を買うのに付き合ってくれたのだ、お礼にこのヒロインになりきった私を見てもらわなくちゃ…。
「よっし、送信！」
自分では全身を撮れなかったため、上半身と下半身に分けて写真を送りつけた。
するとすぐに既読がついて、どんな返事が来るだろうとワクワクしていたのに…
「なんでよっ」
待てど暮らせど既読スルー。
もしかして迷惑だった？たしかに、この下半身だけの写真とかもはや出会い系のヤツにしか見えないもんね…。
「あのぅ…すみません〜…」
「はい？」
「撮らせてもらってもいいですか…？」
「…あ、はぁ」
なかなかクセのある見た目のその男性に少しあとずさり。…だけど、
「それって愉快なイケメンブラザーズのヒロインですよね？よかったらこの近くに臨海公園に似たスポットがあるんですけどぉ…」
素晴らしい情報を持っていたので問題ナシ。
「それ…五十嵐ウタイの好きなデートスポットじゃないですか！」
「そうですそうです…そこで撮影させてもらってもいいですかねぇ」
「近くにあるんですか？」
「車で５分くらいかなぁ…」
５分… すぐじゃん！
「ささ、行きましょう！」
「ありがとうございますぅ」
太っているからか声が籠もっていて、喋り方もクセがある。
ちょっと気持ち悪いけど、きっとイケブラの熱狂的ファンなのだろう。
それにあの臨海公園に似た場所での撮影なんて…このチャンスは逃せない！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1693人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミト
| 作成日時：2017年8月10日 18時
