地縛霊―10― ページ10
『おかえり!』
「……ただいま」
『まだ夕飯には時間早いし、先にお風呂にする?』
「……」
夕方には部活も終わり帰宅する
するといつも通りこいつが玄関まで来て俺を出迎える
俺は今日考えていたこいつの容姿について思い出し、自分でも知らぬうちに凝視していた
白い肌は西洋の陶器人形を連想させるほど透き通っている
濡れ羽色の髪は胸元まで伸びていて、こいつが動く度にサラサラとなびく
湿っぽく輝くアメジストのような瞳
影を落とす長い睫毛
森に潜む小鹿のような華奢なからだ
何をとっても、非の打ち所がないような気がした
『真?』
黙って動かない俺を不思議に思ったのか、様子を窺うように首を傾げる
無意識でやっているそのしなやかな仕草、洗練とされた調律したばかりのピアノのような声色は、まるで男を誘惑する魔女のようだ
「……何でもない。先にシャワー浴びる」
俺はそれ以上目を合わせず、無愛想にそう言って横を通り過ぎた
あいつも特に追及する様子もない
シャワー室に入り、しばらく頭からお湯を浴び続ける
俺はいつもこの時に自己処理を済ます
あいつがいるからと言って、健全な高校生男子が我慢できるわけもなく、でも、あいつを自室に入れないとしてもそこで処理するには気が気じゃない
仕方なく溜まった時は風呂で済ますが、今日はなんだか様子がおかしい
だいたいいつも、好みの画像や動画を見れば高まるのに、一向に元気を示さない
必死に脳内に駆け巡らせた結果、俺はとある思想に酷く反応した
その瞬間、俺は激しく頭を振った
何度も違うと自分に言い聞かせても、正直な身体はそれを無視して硬くなる
俺は脳内であいつをおかずにしてしまった
その事実が何とももどかしく、屈辱で、残酷なまでに……興奮した
今までのどんなおかずよりも下半身が疼く
俺はもう、この快感を忘れられないかもしれない
「最悪だ……」
体はスッキリしたはずなのに、今からあいつの顔を見るとなると心は鉛のように重くなった
55人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん(プロフ) - 五月雨雫さん» わぁぁコメントありがとうございます(´;ω;`)!!!完結後にも感想をいただき本当に嬉しいです(泣)おかげさまで私も作ってよかったと思えました!!またどこかでお会いできることを楽しみにしています(*‘∀‘) (2020年5月11日 9時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨雫(プロフ) - 全話読ませてもらいました!!凄く好みの感動系でなんと言ったら良いか…!作品、物凄く好きです。読者一意見として作ってくださってありがとうございます!! (2020年5月10日 8時) (レス) id: 603d70d68d (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» ご丁寧に返信までいただきありがとうございます(泣)感謝感激です(´;ω;`)これからも誰かに感動してもらえるような作品を作れるように励もうと思います!こちらこそありがとうございました(泣) (2019年11月20日 11時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - こちらこそ本当に素敵な作品をありがとうございました。最後のお話で本当に感動で泣けました泣ありがとうございました!!! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» あああぁぁああぁ(嬉し過ぎて語彙力が著しく低下しました)笑。コメントありがとうございます!!まさか、自分の作品で感動していただける日が来るとは……その事実に私も感動しました(泣)作ってよかったと思えました!!本当にありがとうございます!! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 60ab1a28d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/alice99101/
作成日時:2019年10月1日 17時